Mouchette
1967年のフランス映画。 原作はジョルジュ・ベルナノスの同名小説。 監督はロベール・ブレッソン。 主演はナディーヌ・ノルティエ。
薄幸の少女ムシェットが森番に犯され、自殺するまでを描く。
ロベール・ブレッソン DVD-BOX 2 (スリ/バルタザールどこへ行く/少女ムシェット)
ロベール・ブレッソン監督による1967年作『少女ムシェット』について。 鳥としての少女 冒頭の鳥と同様に、ムシェットは地べたでの生活をしており、どこに行っても罠がある。その中で、物理的にも雨に打たれて泥まみれになるのが描写されていく。母親の死と強姦によって周囲からも疎外され、完全に罠にかかった状態になる。 最後の入水シーンにおいて、ムシェットは映らずに抱えてた死装束と水飛沫だけが映る。鳥と同じくその地べたでの生活から飛び立っていったような、ある種自由になったような印象を残して終わる。 『バルタザールどこへ行く』におけるロバとマリーが一体化したような存在がムシェットであり、喜劇的な雰囲気や前日譚…
★★★ 2024年10月12日(土) Tジョイ梅田5 予備知識ゼロで見たので展開の理不尽に戸惑った。でも、よくよく考えてみたら世の中では公平なんて幻想なんだし、人より苦労しても報われなかった人生なんて山ほどある。それでも内山拓也の前作「佐々木、イン、マイマイン」では報われなかった佐々木の多少なりとも煌めいていた日々や、彼を追悼する仲間の存在が救いとなっていた、はずである。 先行きに見えてきた微かな希望や、笑い燦めく儚い日々や、贖罪による赦しや、でなければ耐え難い絶望と孤独や、行き場のない怒りや、そういう何かが前振りにあっての唐突に来る終焉が常套であろう。そんなありきたりでなく現実まんまを描きた…
[折々の写真] 9,10月 9.4 『ディア・ハンター』1978はアメリカ映画の最高傑作の一つ、アメリカの若者たちがベトナム戦争でいかに深く傷ついたか、一人一人の人間がかくも深い表情を持つとは! デ・ニーロもM.ストリープもこれが代表作だろう、鎮魂の音楽の天国的な美しさ! 6分間の動画The Deer Hunter ending (youtube.com) 11『ハンナ・アーレント』2012は優れた映画。アーレントを演じたバルバラ・スコヴァもよかったし、複雑で困難な情況が克明に描かれていた、ただハイデガーがフツーのオジサンなのが残念、実物のアーレント(写真残り3枚)にも会ってみたい。2分の動画…
黒沢清『Cloud』。 『Chime』と『蛇の道』より良いとか悪いとかより、三本セットみたいな印象。3作が同じ舞台で繋がってても驚かないというか、むしろ廃工場に着くと、そう見せている気さえする。作品間を跨ぐ要素を入れて、結末や細部を曖昧にするのはVシネ時代からの延長かもしれない。そして過去作の要素の転売ならぬ再配分というか。先の二作を見て、正直何とも言えなかったが(かつての黒沢清ほど面白いと思えないが、そう正直に言うのも芸がない気がして悔しいとか)、それに比べると(良くも悪くも)言いたいことだけはたくさんある。マンネリというより、はたして黒沢清の映画を見たことない人がどう思うか想像できない。 …
父親はDVをし母親は病気でほぼ寝たきり、学校では馬鹿にされ友達はいない、孤独な少女ムシェット。ある日、学校の帰りに森に迷い込み、密猟者の男と出会う。彼は森番の男と争い、殺したかもしれないと言う。秘密を誰にも話さないと誓うムシェットだったが、密猟者に犯されてしまい......。ロベール・ブレッソン監督のフィルモグラフィーの中では先日観た『バルタザールどこへ行く』の次の作品で、内容としても無垢なものの受難というテーマが共通した姉妹編のような感覚の作品。ロベール・ブレッソン『バルタザールどこへ行く』『少女ムシェット』初回限定生産 Blu-ray セットアンヌ・ヴィアゼムスキーAmazon とにかくム…
タイトルが覚えづらいという人は、あみんの「待つわ」を参照するのが吉。 2016年。トマーシュ・ヴァインレプ、ペトル・カズダ監督。ミハリナ・オルシャンニスカ、クラーラ・メリーシコヴァー、マリカ・ソポスカー。 1973年。22歳のオルガ・ヘプナロヴァーはプラハの中心地で路面電車を待つ群衆の中をトラックで突っ込み、8人を死亡、12人を負傷させ、チェコスロバキア最後の女性死刑囚として絞首刑に処された。実話。 たしかに汝は正しいよ。暑っつい暑っつい、ちゅて。気温が高いだけやなく湿度までえらいことなっとるがな、ちゅて、通りすがりのおばはんも言うてたわ。たしかに汝は正しかろ。きしきしきし。でもさ汝、おれはそ…
今ヲタクが公開を楽しみにしている映画の1つに、クロエ・ジャオ監督の新作『ハムネット』(主演 ポール・メスカル&ジェシー・バックリー)があるのですが、撮影監督をあのウカシュ・ジャルが務めると聞いて、またテンション爆上がり(笑)現在日本で公開中の『関心領域』も彼が撮影監督を務めていて、ヲタクは近日中に観に行こうと思っていたから、just in timeなNEWS❗ 『ハムネット』は、マギー・オファーレルによる同名のベストセラーの実写化です。この作品は、謎の多い英国の文豪シェイクスピア(ポール・メスカル)の家庭生活を、妻のアン・ハサウェイ(ジェシー・バックリー)の視点から描いたもの。シェイクスピアに…
www.shochiku-tokyu.co.jp『スリ』(1959)、『少女ムシェット』(1966)などのロベール・ブレッソン監督による作品。 不可解な死を遂げた妻の真相を得るために、夫が出会い、結婚、不和を回想していく様子が描かれていきます。 ドストエフスキーの短編小説をフランス流にアレンジしているのが見どころ。舞台をロシアからパリに移しながら、テーマである「愛とは?」をしっかりと表現しています。 フランス映画らしい情緒的な映像を用いた語り口が魅力です。 日本では2021年11月にリバイバル上映もされました。放送情報やさしい女 2Kデジタル修復版【字幕】 BS260 BS松竹東急 2024/…
全5項目●代表作 ●「Cahiers du Cinema」1952 ●「Robert Bresson - Ni vu, ni connu」 ●「シネマトグラフ覚書」 ●「作家主義―映画の父たちに聞く」 ●「彼自身によるロベール・ブレッソン」 「アラン(ロバート・フラハティ)」より 全5項目 ●代表作 「抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より」、 「バルタザールどこへ行く」、 「田舎司祭の日記」等 映画監督、脚本家 等で活躍したロベール・ブレッソンが影響を受けた・語った・好きだった映画。 ※「抵抗(レジスタンス)-死刑囚の手記より」。 別題「抵抗 死刑囚は逃げた、あるいは風は己の望む所に吹く」…
[折々の写真 3、4月] 3.6 『高慢と偏見』 1995、 BBC制作の6時間もの、ジェニファー・エイル[リジー]、 コリン・ファース[ダーシー]、クリスティン・ボナム=カーター[ビングレイ]、スザンナ・ハーカー[ジェイン]、いずれも人物とキャストがぴったり、『高慢と偏見』映画版は本作が断トツ 13 『ジェーン・エア』BBC版、1983、ブロンテ原作の映画版は本作が断トツ、ジェーン役のZelah Clarke 1954~は有名女優ではないが、これこそ「ジェーン・エア」その人という感じ、彼女は、ゲーテ的な「教養小説」の主人公であると同時に神話的な愛のアレゴリーでもある 20 グレタ・ガルボ(1…
全3項目 ●代表作 ●「フリースタイル57 特集:マンガ家による 極私的偏愛映画ベスト10 PART 2」より14本 ●「cookie.shueisha.co.jp」の「集英社 Cookie」プロフィールより2本 「シェルブールの雨傘」より 全3項目 ●代表作 漫画「重版出来!」、 「レタスバーガープリーズ. OK, OK!」等 漫画家として活躍する女性の松田奈緒子が影響を受けた・好きな映画。 ●「フリースタイル57 特集:マンガ家による 極私的偏愛映画ベスト10 PART 2」より14本 激突! スティーヴン・スピルバーグ…スリラー、恐怖、カーチェイス、アクション ※白い肌の異常な夜…
年間ベストの悪癖をこじらせる作品が多く公開された いよいよ明日大みそかを迎え2023年も大詰め。本当に1年はあっという間だ。今年は毎月のように発生する年間ベスト級の作品が多く、大変喜ばしかった。まだまだみれていない作品も多くあるものの、2023年の私的映画ベストテンをまとめたい【永久保存版】。 目次 【2023年】2022年以上に豊作だらけの映画が劇場公開された 【2023年】年間映画ベスト10 まとめ まとめ 【2023年】2022年以上に豊作だらけの映画が劇場公開された ※画像の引用元:Filmarks公式サイトより まずは、ベスト10からは漏れてしまったものの、特別枠を紹介したい。レベル…
全3項目 ●代表作 ●「lacinetek.com」の「La liste de Peter Handke - LaCinetek」より30本 ●「metrokino.at」の「PETER HANDKE GEHT INS KINO Eine Filmschau. Ausgewählt von Peter Handke」より27本 「若き日のリンカン(若き日のリンカーン)」より 全3項目 ●代表作 脚本「ベルリン・天使の詩」、 小説&映画脚本「まわり道(間違った動き)」等 小説家、ヴィム・ヴェンダースといった監督と組み脚本家、映画監督、俳優 等で活躍するペーター・ハントケが影響を受けた・好きな映画…