尾脇秀和の氏名の誕生 ――江戸時代の名前はなぜ消えたのかを読んだ。本書は江戸時代まで使われていた人名の構成方法が、明治政府の誕生により捨て去られて、今の氏名という形式になった経緯が記されている。その前提として、江戸時代の後期の頃はどのように人名が構成されていたのかが説明されているのだが、今までなんとなくわかっていたような気がしたが、この本を読んで整理できた。江戸時代の後期の頃は三種類の名前が存在していた。武家の名前、公家の名前、庶民の名前である。 武家の名前 一般通称 「~蔵」、「~郎」、「~衛門」などの一定の特徴があり、名前であることがなんとなくわかる。また、郎ならその前に、一、二、三の数字…