訓読 >>> 1537秋の野に咲きたる花を指(および)折りかき数(かぞ)ふれば七種(ななくさ)の花〈その一〉 1538萩(はぎ)の花(はな)尾花(をばな)葛(くず)花なでしこの花をみなへしまた藤袴(ふぢはかま)朝顔の花〈その二〉 要旨 >>> 〈1537〉秋の野に咲いている花を指折り数えてみると、七種類あります。 〈1538〉秋の野に咲く七種類の花は、萩、すすき、くず、なでしこ、おみなえし、そして藤袴、朝顔です。 鑑賞 >>> 山上憶良が秋野の花を詠んだ歌で、2首1組という珍しい形になっています。1538は、秋の七草を旋頭歌形式(5・7・7・5・7・7)で詠っています。短歌形式では七草すべてを…