ドイツ文学者、翻訳家。1920年東京生まれ。東京大学独文科卒。東京大学教授を長く務め、教養学部長などを歴任。定年で名誉教授。関西大学教授、「わだつみ会」顧問、大学生協東京事業連合理事長も務めた。 1955年『大学の青春・駒場』(光文社カッパブックス)で広い読者層に注目され、同年以降、蓼科に山荘を構え地元住民と交流している。
詠嘆の序詞 燃ゆる思いに口ごもりし言の葉も、 描き記さるれば、いかばかり物珍しく見ゆる! 今われの門ごとにおとないて、くまなく、 散り失せたる紙片を集めんとはする。 うつしみの世に長き時をおきて かたみに隔たりいたりしもの、 今一片の表紙のもとに よき読者の手にわたるなり。 されどあやまちを恥ずることなく、 この小さき書を急ぎ仕上げよ。 世は矛盾に満てり、などて わが書に矛盾の許されるべき? ゲーテとの対話 上 (岩波文庫) 作者:エッカーマン,山下 肇 発売日: 2015/01/01 メディア: Kindle版 チャリティー・チャレンジトーナメント: 紀行文 作者:酒本郁也 発売日: 202…
第一次『赤門文學』と小松伸六 小松伸六が、戦前の第一次『赤門文學』に、ペンネーム内海伸平の名で数多くの論考を寄せたことは、あまり知られていない。『北海道文学大辞典』には、「釧路生まれ。筆名内海伸平。」とあるが、『日本近代文学大辞典』の小松伸六の項には、内海伸平の筆名で書いていたことは触れられていない。その『日本近代文学大辞典』の「赤門文學」の項には、こう記されている。 「第一次は、昭和16・12~19。2.全21冊。編集人赤門文学会、代表石川道夫。赤門書房発行。事実上の編集責任者は平田次三郎で編集後記の大半が彼の手になる。(中略)東大系同人誌、『豊葦原』『群島』『詩と小説』『石段』『新樹』『新…
読書大好きのにかどくです! フランツ・カフカさんの『変身・断食芸人』を読了したので、今回はこちらの感想を書いていきたいと思います。 なお、1冊の書籍に『変身』と『断食芸人』の2篇が収録されているため、書籍のタイトルが『変身・断食芸人』となっています。 著者紹介 概要 変身 断食芸人 感想 『変身』について 『断食芸人』について 最後に 著者紹介 本作の著者は、フランツ・カフカさんです。 1883年に現在のチェコで出生したドイツ語作家です。 カフカさんはプラハのユダヤ人の家庭に生まれ、法律を学んだ後に保険局に勤めながら作品を執筆していたそうです。 どこかユーモラスで浮ついたような孤独感と不安が溢…
カフカ 叢書・ウニベルシタス85 ジル・ドゥルーズ, フェリックス・ガタリ [著] ; 宇波彰, 岩田行一 訳 1991 法政大学出版局 ¥800 社会学とは何か : 関係構造・ネットワーク形成・権力 <叢書・ウニベルシタス 438> ノルベルト・エリアス/徳安彰訳 1994 法政大学出版局 ¥800 ユダヤ神秘主義 その主潮流 叢書・ウニベルシタス ゲルショム・ショーレム/山下肇 他訳 1985 法政大学出版局 ¥2,000 身代りの山羊 <叢書・ウニベルシタス> ルネ・ジラール [著] ; 織田年和, 富永茂樹 訳 1985 法政大学出版局 ¥1,200 人類学と文化記号論 文化と実践理性…
2020年3月も終わってしまい、「おさらい」を書くのですが、つまり2020年3月はわたしには「入院」の月、そうして世間的にはCOVID-19蔓延の月、「自粛」の月でした。映画館にも美術館にも劇場にも足を運びませんでした。わたしは3月いっぱいで病院を退院しましたが、COVID-19の猛威はまだ継続されそうで、4月も家で本を読み、DVDを観るだけの月になるでしょうか。 入院中に読んだ本の感想は書いていませんが、そのうちに書くかもしれません。あと、やはり入院中にテレビで黒澤明監督『羅生門』を観ました。Book: ●『日記』フランツ・カフカ:著 近藤圭一・山下肇:訳(旧版「カフカ全集6」) ●『カフカ…