仮面物語: 或は鏡の王国の記 作者:山尾悠子 国書刊行会 Amazon 『仮面物語-或は鏡の王国の記-』山尾悠子著を読む。 放浪の彫刻師・善助は、立憲君主都市・鏡市を訪れる。その名の通り、鏡の王国。彼は、影盗み。人の顔を一瞥しただけで「たましいの顔」が見え、粘土で作りあげることができる。 「たましいの顔」を見た人は気が狂うといわれており、影盗みは、嫌われ、見つかり次第処刑される。影盗みの目印は右手の痣だそうで、善助はふだんはバレないように隠している。彼らは鏡で自分の顔を見ることができない。なぜならうっかり見てしまうと死に至るおそれがあるからだ。 この都市では、人々は影盗みに顔を見られないようさ…