社会心理学者。北海道大学名誉教授。 1948年(昭和23年)1月21日、生まれ。2018年(平成30年)5月8日、死去。 2004年(平成16年)、紫綬褒章。 2013年(平成25年)、文化功労者。 『信頼の構造』(ISBN:4130111086)で日経・経済図書文化賞を受賞。その啓蒙普及版として『安心社会から信頼社会へ』(ISBN:4121014790)がある。
施設の中に、外国人が入れられる。その外国人が、死ぬことがおきている。日本でその現象が起きているのを、どのように見なせるだろうか。 その現象が起きているもとには、日本が国として原理(principle)を持っていないのがひびいている。原理をもっていないのがわざわいしている。そうとらえてみたい。 もしも日本が国として原理をもっていれば、日本はこういう国なのだな、と外から見てわかる。こういう国なのが日本なのだから、安心だなとか、危ないなとかが外から見てわかる。 原理をもっていないのが日本の国だから、日本がどう出るのかが分かりづらい。何をしでかすのかがわからない。何をやらかすのかが明らかにならないので…
「日本人」という、うそ: 武士道精神は日本を復活させるか (ちくま文庫) 作者:山岸 俊男 筑摩書房 Amazon 所感 心理学者の研究によれば、心は、人間世界の善悪の源泉ではなく、あくまで進化の産物である。すなわち、動物の他の内臓器官と同じ、特定の機能に特化した部位である。 様々な問題を「心」という漠然とした存在・概念に帰結させるのは誤りである。 この誤りは、「心」を幼いうちから矯正できるという考えに基づいた、教育万能論とかかわりがある。 わたしも、漠然と教育をやっておけば問題が解決するのでは、安易に考えてしまうことがある。 本書の主張は、人間の理性を万能とする西洋思想を批判したニーバーにも…
差別をなくす。それを無くすようにするべきなのかどうかは、日本の中で対立を生むことがらだ。対立を生むようなことをとり上げるのは、日本の国柄には合わない。与党の政治家はそう言っていた。 対立を生むようなことは、日本の国柄に合わないから、とり上げるべきではないのだろうか。 差別をなくすべきだとするのは、そういう規則をよしとすることだ。規則の点で見てみると、大前提の価値観として、そもそも差別をするべきではないのだとすることになる。これは(すべての人にといったら言いすぎかもしれないが)多くの人に良しとしてもらうことができるものだろう。だれでも、自分が差別をされたくはないからだ。 与党である自由民主党の政…
漁師町で暗殺未遂事件があったが、異変に気がついた理由がいつも見る仲間じゃ無いから。 【独自】「おい、何やってんや!」岸田首相テロ…木村隆二容疑者(24歳)の脇にいた人物が明かす緊迫の瞬間一部始終(現代ビジネス編集部) | 現代ビジネス | 講談社(1/3) 顔見知りというセキュリティはよくある。要するに田舎の危険察知センサーである。よそ者に冷たいし、家の中までずかずか入ってくる。日常の監視でお互いの不信感を減らしている。 このやり方は商売でもあってこのタイプは滅んだ。勝ったのがイタリアの商人だった。 アメリカでアジア人の扱いが厳しいという話に「私の周りでは無い」という意見を見るが、語学力によっ…
国を守って行く。国が抑止の力をもつ。そのさいの、抑止とはいったいどういったものなのか。それがとり上げられていた。 国を守って行くために、抑止を高めて行く。それがいるのが言われているけど、それとはちがい、抑制をとり上げてみたい。 抑止と似ているのが抑制だけど、その二つを分けてみると、抑制をとり落とさないようにすることがいるのがわかる。 抑止を抑制して行く。そういったこともいる。まちがった抑止なのであれば、それを抑制することがいる。まちがった抑止とは、抑止にならない抑止だ。いっけんすると抑止になるようでいて、じっさいにはそれに役に立たず、逆に働いてしまうようなものである。 かつての日本の国をふり返…
憲法の改正のための会を、毎週ひらく。国の議会において、改憲のための会を毎週ひらくのは、さるがやることだ。野党の立憲民主党の政治家がそう言ったという。 改憲をおしすすめるために、会が毎週においてひらかれているが、それを動物のさるに例えるのは、ふさわしい言い方だったのだろうか。憲法のことをまともに考えていないのを、さるになぞらえるのは、よい言い方だったのだろうか。 二つのことを問題化できそうだ。一つは、改憲がおし進められている点だ。それをおし進めるために、改憲のための会が毎週において議会で開かれている。改憲への加速度の動きになっている。加速度は、帝国主義の動きだ。直線のものだ。 もう一つ問題化でき…
共産党は、民主によって、党の長を選ぶべきなのだろうか。 民主の手つづきによって集団の長を選んだとしても、良い人が長に選ばれるとはかぎらない。民主によったとしても、そこから独裁者の長が選ばれてしまうことがある。ナチス・ドイツのアドルフ・ヒトラーは、民主主義によって選ばれた。 大衆迎合主義(populism)になってしまうと、たとえ民主主義によっていたとしても、独裁者が集団の長として選ばれてしまうことがある。 民主主義には欠点があるのにしても、かりに、民主の手つづきによって党の長を選ぶべきだと言えるとする。日本共産党にたいしてそう言えるとすると、民主主義の良さをいくつかあげられる。 形式の合理性が…
・ ・ ・ 関連ブログを6つ立ち上げる。プロフィールに情報。 ・ ・ {東山道・美濃国・百姓の次男・栗山正博}・ 2023年2月3日 MicrosoftStartニュース 現代ビジネス「日本人、じつは「他人を“信頼”する」のが、ほかの国の人に比べてめっぽう苦手だった…! 田中 世紀 の意見 「日本人は集団主義だ」「日本の会社は個人主義的でなく、お互いに助け合う雰囲気がある」 〔PHOTO〕iStock © 〔PHOTO〕iStock こうしたイメージを持っている人は少なくないかもしれません。 小泉八雲の筆名で知られる作家、ラフカディオ・ハーンも、明治時代の日本社会を見て、この国の人々には「相手…
山岸俊男監修『社会心理学』(24) 今回は、第4章 対人認知と行動のうち、「社会的カテゴリーとステレオタイプ」、「偏った対人認知」(p.106~)をとりあげる。テーマは「ステレオタイプ」である。 ステレオタイプとは、「多くの人に浸透している固定観念や思い込みのこと」であり、例として、「A型は几帳面、O型はおおざっぱ」、「看護師は女性の仕事」、「イスラム教徒はテロリスト」、「卑劣な中国人」、「東京の人は、お洒落で洗練されている。流行の先端を行っている」などがあげられる。これだけのことであれば、多くの人は、「そんなことはない。そうとは限らない」と言うだろう。そして「私は、固定観念を持っていないし、…
安心社会から信頼社会へ―日本型システムの行方 (中公新書) 作者:山岸 俊男 中央公論新社 Amazon 今回の課題図書はこちら、「安心社会から信頼社会へ」でした。 「人を信じること」はおろかなお人好しのすることでしょうか、それとも誰も信じなくて「人をみたら泥棒と思え」と思うことが愚かなことでしょうか、そんなくだりから本書が始まります。 道端にある無人野菜売り場って日本独特のような気がします。おいてある野菜やおいてあるお金は「盗まれない」という前提で成立しています。 海外からきて「信じられない」と驚く人は少なくないです。 これは日本人が「人を信用して」いて、海外の人たちは「人を信用していない」…
平和な世界にして行く。平和なためには、世界における法の決まりをしっかりと守って行く。国際の法の決まりを守ることがいるのだと、岸田首相はいう。 日本の外である世界について、国際の法の決まりにもとづくことがいるのだと岸田文雄首相はいうが、それについて、日本の外と内(国内)との二つを見てみるとどうなのだろうか。 自由民主党の岸田首相が言っていることは、日本の外と内とで、整合しないのがある。不整合や非整合なことを言っているのが岸田首相だ。矛盾している。 日本の外の世界においては、国際の法の決まりを守らない国があって、いま戦争をやっているロシアなどがある。ロシアは無法のことを世界においてやっていて、国際…
日本の国を守る。そのために、敵の基地をこうげきすることができる力を日本はもつべきなのだろうか。 日本にとっての敵といったさいに、(ある国のことを)敵として基礎づけたりしたて上げたりすることができづらくなっている。反基礎づけ主義からすればそう言えそうだ。 基礎づけ主義からすると、日本にとっての敵となる国を作ることができて、敵を基礎づけたりしたて上げたりできることになる。大きな物語がなりたつ。 これが日本にとっての敵なのだとははっきりとは定めづらいのがいまのありようであり、反基礎づけ主義によるあり方だ。小さな物語しかなりたちづらい。 いまはロシアとウクライナが戦争をやっているけど、これはもっぱらロ…
「個としては生き延びていくことができなかったヒトは社会を作って,その中で相互に助け合うという進化を遂げました。(長谷川)」,「たしかに大自然の中で生き延びていくためには,とにかく仲間意識をおたがいで持ち,協力関係を築けないと共倒れになってしまいます。(長谷川)」(『きずなと思いやりが日本をダメにする』,山岸俊男・長谷川眞理子,集英社インターナショナル) ○現代の日本のような豊かで安全で便利な社会で暮らしていると,ついつい忘れてしまいがちですが,私たちは独りでは生きていられません。私たちは,目に見える直接的なものも目に見えない間接的なものも含め,数知れぬ他者の支えや助けがあればこそ生きていられる…
1~3月 lettucekunchansan.hatenablog.com 4月 lettucekunchansan.hatenablog.com 5月 lettucekunchansan.hatenablog.com ジャンル雑多、ネタバレ配慮ゼロ、読んだ順 6月 堀あきこ、守如子編著「BLの教科書」 BLの教科書 有斐閣 Amazon 少年愛(JUNE系)〜アニパロ〜やおい〜BLと繋がるコンテンツそのものの歴史、ファンコミュニティ、BLが向き合う「女性の性的欲望」「現実の異性愛規範とのズレ」「ゲイの実態との遠近」のようなジェンダー・セクシュアリティなど包括的にBLを色々な視点から研究する手…
山岸俊男監修『社会心理学』(23) 今回は、第4章 対人認知と行動のうち、「表情の認知」(p.104)である。 表情は、非言語コミュニケーション(ノンバーバル・コミュニケーション、non-verbal communication)の一つである。非言語コミュニケーションとは、 言語を用いないコミュユニケーションのこと。身振り、手ぶりや表情、声の抑揚による意図・感情の伝達、ふれる、距離をとるといった動作など。(本書) ことば(音声言語)や文字を直接用いずに行なわれる情報伝達。表情や視線、身ぶり(→しぐさ)、動作、声の質・抑揚、相手との距離、姿勢といった手段を用いる。(ブリタニカ国際大百科事典) 非…