(前回に引き続いて、雑誌「銀座百点」より) 元NHKアナウンサー、山川静夫さんの「十二代目團十郎の思い出」のエッセイの中で、「義経を守るという強い意志を持つ弁慶」を演じるくだりに、「男というものは、強くなくてはほんとうのやさしさは生まれぬもので、強い男はやさしい。」というのがあった。これには大いに納得した。 私がルパンファミリーに惹かれる ”わけ“ に、お墨付きをいただいた気分だったからだ。おかげで、自分でも、なぜにここまでル次ゴに惹かれるのか、の一つがわかった。山川氏は歌舞伎をはじめ諸芸百般に通じていらして、以前から尊敬しているが、彼の、人間への審美眼は鋭いので、この謎解きは嬉しかった。 逆…