小説家、歴史時代小説作家。 1956年京都市生まれ。同志社大学卒。 2014年2月13日、肺腺がんにより死去。
山本兼一『利休にたずねよ』 今日は読書の話題で、最近読んだ本3冊の感想。 1冊目は山本兼一の『利休にたずねよ』。15年前の直木賞受賞作で、一度読んでみたいと思っていた作品だった。 千利休という人物は、茶道の第一人者として、誰でもその名を知っている人物だ。秀吉に切腹を命ぜられるという最期を遂げたことも知られているが、その理由には諸説あり謎とされている。『利休にたずねよ』は、その一生を描くにあたり、切腹の日から若き日まで、時間をさかのぼって書いていくという独特の手法をとっている。歴史小説であるから、各章に秀吉をはじめとする実在の人物が何人も登場するが、利休が肌身離さず持つ緑釉の香合とそれにまつわる…
関ケ原の合戦について、遠い昔にそんなことがあったくらいしか知識がなかった。 時代小説をむさぼり読むようになって、約2年半。 特に池波正太郎の作品は、戦国時代、江戸時代、幕末、それぞれが面白くて、自然に日本の歴史に興味を持つようになった。 目についたものから読んでいったので、時代背景の順番はバラバラ。 1冊、1冊は点でしかなかった。 ところが、前回の和田竜さんの「のぼうの城」を読んで、今回の「修羅走る 関ケ原」を読んだことで、これまで読んできた点の作品が、ジグソーパズルのようにつながったのだ。 とても恥ずかしいのですが、「修羅走る 関ケ原」を読み始めて、関ケ原の戦いが、徳川家康VS石田三成だった…
新たに、時代小説作家さんを探してたどり着いたのが、山本兼一さん。 最初に選んだ作品が、第140回直木賞受賞作、「利休にたずねよ」。 PHP文芸文庫紹介文 女のものと思われる緑釉の香合を肌身離さず持つ男・千利休は、おのれの美学だけで時の権力者・秀吉に対峙し、天下一の茶頭(茶の湯をもって主君に仕える人)へと昇り詰めいていく。しかし利休の研ぎ澄まされた感性、艶やかで気迫に満ちた人生を生み出した恋とは、どのようなものだったのか。思いがけない手法で利休伝説のベールが剝がされていく。 元は魚屋に生まれ、武士ではない利休が、なぜ秀吉から理不尽な切腹を命じられたのか。 そして、秀吉も本意ではなく、謝ることで許…
★ 末國善己さんが、末國善己編『夫婦商売』(時代小説アンソロジー、角川文庫)の「解説」をお書きになりました。 ・『夫婦商売』、角川書店、2022年3月25日発行、本体640円+税 夫婦商売 時代小説アンソロジー (角川文庫) 作者:青山 文平,宇江佐 真理,澤田 瞳子,諸田 玲子,山本 一力,山本 兼一 KADOKAWA Amazon ・角川書店のHPも、ご覧ください。 www.kadokawa.co.jp
利休にたずねよ (PHP文芸文庫) 作者:山本兼一 PHP研究所 Amazon 毒あればこそ、生きる力も沸いてくるのではありますまいか。 先日、映画を観たので購読。 映画の方は人物たちがもはや聖人だったけど、こちらはもっと泥くさい、人間くさい感じ。 利休は、一見、なんの欲もこだわりもなさそうな顔をしている。しかし、欲が深いといえば、あの男ほど欲の深い者もおるまい。 ...と語る秀吉。うん、確かにそんなイメージ。 タイトルかっこいいし、チャプター毎に主人公が変わって、みんな個人の目線で利休のこと語るサスペンス調でいいんだけど、時系列が逆に進んでいくので読みづらいことこの上ない。 茶器好きな漫画で…
本好きの知人から勧 められて私が山本兼一さんの本を読み始めたのは 2014年に57歳で亡くなってからのこと。 以来 彼の作品は何冊読んでも面白く きっと資料を詳しく調べて史書を読み込み 物語の骨格を太くした後に 精密な肉付けしてから作品にして送り出した。と思わせるものでした。 先日 図書館の寄贈本棚でみつけたのが 山本兼一著「命もいらず 名もいらず」上(幕末篇)・下(明治篇)の2冊。 この本の主人公は 飛騨高山の武士の家に生まれ 後に江戸に出て剣術の腕を磨き 江戸城無血開城の”真の功労者”と言われる山岡鉄舟です。 名前を聞いたことがあっても 認識不足で幕末から明治時代にかけて活躍した剣豪の武士…
★★★☆☆ あらすじ 秀吉に切腹を命じられた千利休、その生涯を振り返る。123分。 www.youtube.com 感想 天下一の茶人として知られる千利休。ひたすら美を追求するその姿は、実写で見ると少し変態っぽい。色々と楽しいことは他にあるはずなのに、ただ一つのことに集中できるなんて、普通の人ではないということなのだろう。身近にいたら面倒くさそうだが、周りの人間は自分たちとは違う聖人のような存在と認識していたということかもしれない。 利休の過去を振り返りながら話は進む。だが、秀吉との確執や夫婦、親子の関係、他の登場人物たち、そして利休自身の茶人としての姿など、どれをとっても中途半端にしか描かれ…
昨夜の満月 7時23分からの皆既月食をご覧になりましたか。 札幌では星が無い夜空に 赤い月だけ浮かぶ 幻想的で神秘的な天体ショーが堪能できました。 世界中の人達が 「同じ赤い月を見ている」と考えるだけで 人間ができないことを「一瞬にして成せる偉大な存在」を感じました。 *2014・10・8(水) 札幌市内にて ~~~~~~~~~~~~~~~~ 「とびきり屋見立て帖」は 作家・山本兼一さんのシリーズ本の題名で 幕末の京都で攘夷派と維新派の勢力が拮抗していた頃の話です。 捨て子だった主人公の真之介を 老舗道具屋・からふね屋が面倒を見て 目利きと言われる道具屋に育てました。 それなのにお世話なったお…