人々から忘れられた神域 伊豆市にあった大仁金山裏の山神社。 危険伴う炭鉱に従事する者たちから信仰を集めていたであろう場所。 閉山から約50年。人々の記憶から忘れられた神域は草木に埋もれた姿で待っていた。 石碑に込めた願いの行方を知る者はいない。 落下した扁額は鳥居に寄り添っている。 おそらく訪れた者が形を揃えておいたのだろう。 鳥居には先客がおり、迂回を余儀無くされた。 境内は社へ続く階段と傾いた灯籠が並んでいる。 右奥には太鼓橋の架かる小さい社。 崩壊しかけている階段。 苔むす手水舎。 その全てが美しい。極上の廃空間。 水が溜まり、落ち葉は腐り、新たな生命の源となる。まさに輪廻転生・・・それ…