※この文は、2014年5月29日の再ポストです。 時を越えてあの時の興奮を伝えてくれる読み物がある。 「江夏の21球」というルポが好きだった。 今でもお気に入りの作品だ。 1980年、スポーツグラフィック・マガジン 『NUMBER』の創刊号に掲載された山際淳司さんの 才能が際立った作品だ。 後に《スローカーブを、もう一球》という、珠玉の8篇を集めた本が出され、日本ノンフィクション賞を受賞している。 取材対象は、1979年11月4日。 日本シリーズ第7戦、 シーズンの掉尾を飾る最終戦だ。 その日、私は、大阪球場ライト側の外野席にいた。 だから、このルポを目にした時は、何も考えず、条件反射的にその…