30数年前。某FМ局で「〇の穴」という番組の作家をしていたことがある。私の担当したのは、英語とスペイン語を操るDJ・〇〇オが生放送する二曜日だ(曜日ごとにパーソンナリティが違う)。 この番組の制作会社の社長さんに見崎さんという方がいた。古き良き業界の匂いを残す方で、もはや死語となっていた業界用語を巧みに使っていた。 パイナップルを「イナプルッパ」。信じられないを「ジラレナイシン」と言った伝説の人物である。 見崎さんは、音楽の歴史に詳しく、時には番組のゲストとして音楽評論家的な蘊蓄を述べていた。社長なのにとても謙虚な性格で、いつも自虐的な面白話を披露してスタッフに愛されていた。 私はスタッフに聞…