「最初のころ、新聞記者という肩書を持った僕と、ありのままの僕は、ずっとちぐはぐなままだった。まるで薄ぺらの体に、ぶかぶかの服を押し着せられたかのように。でも、あの蒸し暑い夏の日、僕は新聞記者になってしまった」 読んでいる方が赤面するような自己陶酔した文で「謝るなら、いつでもおいで」(川名荘志著、新潮文庫)という殺人事件の本は始まってしまいます。 この川名という人物は、典型的な倫理観の劣る日本人で、本でも先輩の三森などは必ず「さん」付けですが、新人の倉岡は呼び捨てです。上司は必要以上に敬い、部下は当たり前のように見下すゴミのように捨てるべき日本人の一人です。 佐世保小6女児同級生殺害事件で、被害…