コンセプチュアルなコンサートを企画する作曲家、川島素晴の自主公演を聴いた。チラシの表面を見ているだけでは、とても現代音楽のコンサートとは思われないだろう。川島自身の手による陶器を「楽器」として使用するという試みである。 舞台のうえには中央にブルーシートが拡げられ、そこには洗面器がおかれている。上手の手前と下手の奥には、陶器の風鈴が無数に下げられた、白いツリー(そこには扇風機で絶え間なく風があてられている)が立つ。ほかにも陶器がならべられた長テーブルがふたつ。中央奥には陶製ウィンドチャイムというべき楽器が配置されている。 最初にジョン・ケージの『0'00"』と『Living Room Music…