1944年、東京生まれ。文芸評論家、映画評論家、エッセイスト。 東京大学法学部卒業後、朝日新聞社に入社。編集者として活躍したのち1972年に退職。以後、評論活動に専念。 1991年に「大正幻影」でサントリー学芸賞受賞。1997年に「荷風と東京」で読売文学賞受賞。 2003年には「林芙美子の昭和」で毎日出版文化賞、桑原武夫学芸賞を受賞。 妻はファッション・ジャーナリストの川本恵子。
新潮「波」で連載が続いているといえば、一番なのは川本三郎さんの「荷風 の昭和」でありまして、今月号は第五十回となっていますので、まとまったら 読み通すのがたいへんそうであります。興味がないわけではないのですから、 毎月にすこしずつ読んでおけばいいのにです。 ちなみに今月号で話題にしているのは、戦時下でのことでありまして、これは 気になることです。川本さんの書き出しは、次のとおり。 「太平洋戦争が始まると、時局と関わらない荷風のような作家は、執筆の場が なくなってゆく。幸い父親から受け継いだ恒産があったから生活に困ることは なかったが、軍部が大きな権力を持ち、文芸に圧力をかけてくる時代は、荷風に…
すごいトシヨリ散歩 池内紀・川本三郎 編 表紙 すごいトシヨリ散歩池内紀・川本三郎 編毎日新聞出版 発行2021年11月5日 発行ドイツ文学者、エッセイストの池内紀さん(2019年8月逝去)と、評論家の川本三郎さんによる対談集です。もとは月刊誌『望星』で2016年9月号から2019年9月号に連載されていたものです。普通、ヨーロッパの都市の真ん中は「旧市街」といわれるいちばん古い地域で、王宮や官庁など由緒ある建物が集まっている。ところが東京の中心は、巨大な空間に一家族だけが住んでいる。中世や近世ならそれもわかるんですけど、21世紀の神話みたい。これにも外国人は驚きます。p22一つ目小町有名な町の…
[ You meet Books Channel Store | 2022年02月05日号 | TECHII テッチー 創刊2号 | 1986年8月号 | 特集 音楽とビジュアルの融合だ!! 空間ハイブリッド | 高橋幸宏 #細野晴臣 #松浦雅也(PSY'S) #鈴木慶一 近藤等則 立花ハジメ 桑原茂一 川本三郎 鈴木さえ子 SHI-SHONEN 他 | TECHII テッチー 1986年8月号/高橋幸宏 細野晴臣 松浦雅也(PSY'S) 鈴木慶一 近藤等則 立花ハジメ 桑原茂一 メディア: 雑誌 中古品 - 良い※古書「良」。[※経年に準じた焼有り][※表紙に若干のスレ・キズ有][誌面に多少…
12月15日、水曜日。 「イオンシネマ板橋」へ、14時35分から上映の、前田哲監督、永野芽郁主演『そして、バトンは渡された』を見にいく。 血の繋がらない親に育てられ、4回も苗字が変わった森宮優子は、わけあって料理上手な義理の父親、森宮さんと2人暮らし。今は卒業式に向けピアノを猛特訓中。将来のこと、恋のこと、友達のこと、うまくいかないことばかり…。 一方、梨花は、何度も夫を替えながら自由奔放に生きている魔性の女。泣き虫な娘のみぃたんに目いっぱい愛情を注いで暮らしているようだったが、ある日突然、愛娘を残して姿を消してしまった。 (公式サイトより) https://wwws.warnerbros.c…
成瀬巳喜男監督『おかあさん』。左から香川京子、田中絹代。 川本三郎さんが書いた『成瀬巳喜男 映画の面影』が電子書籍になったので再読してみる。成瀬巳喜男はわたしのいちばん好きな映画監督だけれど、この監督の魅力を深堀りして教えてくれたのは、川本三郎さん。この1冊は、その集大成といえる。 成瀬巳喜男 映画の面影 (新潮選書)作者:川本 三郎新潮社Amazon 成瀬映画の題材には、生活に困窮するひとたちが多く登場する。彼ら・彼女たちは、借金に追いつめられたり、個人商店がいき詰まって、お金の工面に歩いたりする。 たいてい問題は最後まで解決しないので、映画が終わっても、登場人物のその後の人生が心配になる。…
実相寺昭雄監督が撮った『ウルトラマンマックス』(2005)のエピソード(第24話「狙われない街」)は円谷プロの倉庫で撮影され、俳優で怪獣のメンテナンスも行う打出親五が出演している。夕日の差し込むシーンは印象的。
なんでこの本を読んでみようと思ったのかというと、わたくしが悪名高い全共闘世代の一員だからである。60年安保が麻布中学2年、1968年が東大医学部1年。 60年安保の時のことで記憶にあるのは、ラジオ(短波?)で国会乱入の現場からアナウンサーが、「わたくしは今殴られています。機動隊に殴られています。・・」という中継していたことくらいである。 多分、その影響か、マルクスの「共産党宣言」とか「空想より科学へ」へと言った入門書を数冊読んだ記憶があるが、後にも先にもマルクスの本を読んだのはこの時だけである。 麻布というのは面白い学校で、農業という時間があったり(多摩川沿いに農園をもっていた)、中1から高3…
映画のメリーゴーラウンド 作者:川本 三郎 文藝春秋 Amazon 川本三郎氏の近著『映画のメリーゴーラウンド』(2021年)読了。2018年から2020年にかけて電子媒体(ぴあアプリ版)に連載していたものらしく、どちらかといえば軽めの内容。映画の話題をしりとり風につなげていく趣向で、俳優名や監督名ではなく映画に登場する小道具や場所、乗り物等のディテールで繋げていきます。邦画、洋画、クラシック、新作問わず幅広いジャンルの映画が登場するので楽しい1冊でした。あとがきで川本氏は「映画批評はどうしても作品論、監督論となりがちで、ディテールを語ることはつまらぬことだと切り捨てられがちになる」「作り手が…
7月はびっくりしましたね。 先月の。 2022年6月に読んだ本と近況 - 宇宙、日本、練馬
www.youtube.com そのうち東京の感染者5万人とか言われたとき、「また、またあ」と笑ってましたが、信ぴょう性を増してまいりました。誰にも会わない、感染しそうなところはは行かないいい子の私です。 矢野顕子「やませ(東風)」は名曲中の名曲。しかし「カラオケ」にはない。すごい楽曲で、弦楽四重奏で聞きたくなる。 川本三郎さん『小説を、映画を、鉄道を走る』文庫版を買ってがしがし線を引きながら読む。自由自在のインデックスの引き出しの広さに驚く。川本さんはときどき、ぶらりと中央本線に乗り、降りたことのないような駅で下車し、町をうろつき帰る日帰り旅をしている。新阿佐ヶ谷会で直接うかがったこともある…
漫画『鬼はよく燃えているか』、小説『占星術殺人事件』からのトリックパクリ疑惑が浮上し、Twitter上から削除される https://togetter.com/li/1921668 アマゾン、2022年は全国18カ所に配送拠点を新設--「置き配」対象県拡大 https://japan.cnet.com/article/35191041/ 物量に圧倒される紀伊國屋書店「今日の新刊」コーナー話題に すさまじい手間でも続ける理由と思いを聞いた https://news.nicovideo.jp/watch/nw11219843 神保町「三省堂書店 本店」一時閉店で知るさらなる嘆きと、第二章へ :: …
今日読んだ本: ヴァージニア」・ウルフ『ある作家の日記』 池内紀/川本三郎『すごいトシヨリ散歩』朝日新聞出版 宇野常寛『水曜日は働かない』集英社 奈倉有里『夕暮れに夜明けの旅を』イースト・プレス ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー メモ ヴァージニア・ウルフ・・・50歳になっても読書に対して良い意味で貪欲。仕事であれ読みたい気持ちは若いまま 今汚いとされる場所や環境は、昔の人にしてみれば昔よりマシであることも多々ある。 人は漸次的変化を認知できない。 日々を微分的に生きる姿勢 積分はしない ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー…
タイトル通り、大正文化史についての本。全27章で様々なジャンルについてオムニバス的に書かれている。 目次をぱらぱらと眺めたときに、小林一三に2章さかれていることに目が行き、そのほかにもメディア論的な話題が多くて面白そうだなと思い手に取った。 大衆文化の話が多く、微妙に知ってるけどよくは知らなかったみたいなものが多くて、面白かった。 章ごとに書き手が異なることによるバラバラ感がないわけではないが、いずれの章も同時代のことを論じているので、同じ固有名詞に度々出くわす。章の並び自体も、近い話題が連続するように配置されており、「あ、この人の名前、さっきの章にも出てきたな」となり、立体的に見えてくる感じ…
●『犯罪都市』 川本三郎編 平凡社 読了。 「モダン都市文学」の第七巻である。近代になって成立した、従来の村落共同体とは異なる都市空間における犯罪をテーマにしたアンソロジーである。本書の大きな意味は、横溝正史が参加したリレー小説「諏訪未亡人」および「越中島運転手殺し」が収録されていることにある。 「諏訪未亡人」は、延原謙の手になる発端で未亡人の息子が失踪する。後に続く作家達がなんとも自由に意外な方向に広げてしまった風呂敷を、トリを務める横溝正史がどうにかたたんで見せる。事前にどのくらい内容のすり合わせをしていたのか知らないが、こういうのは緊密な構成を期待するものではないだろう。まず読めることが…
トルーマン・カポーティ『夜の樹』(川本三郎訳、新潮文庫)カバー装画・黒田アキ 解説・川本三郎6月6日、気象庁は関東甲信地方が梅雨入りしたとみられると発表した。鬱陶しい季節が始まるが、雨音を聞きながら、雨の物語を読むというささやかな楽しみが自分にはあって、雨の季節に真っ先に思い浮かべるのが、カポーティの「無頭の鷹」なのだ。今、文庫で簡単に入手できるカポーティの短篇集は、この『夜の樹』と、『カポーティ短篇集』(河野一郎訳、ちくま文庫)とアンリ・カルティエ=ブレッソンが撮影した若きカポーティのポートレートがいかす『誕生日の子どもたち』(村上春樹訳、文春文庫)の3冊(『カメレオンのための音楽』ハヤカワ…
「ETV8崩れゆく家族像」 川本三郎氏との対談。 家族の変動を語ります。
作者は、池内紀さん、川本三郎さん出版は、毎日新聞出版です作者のおふたりはどちらも大好きそんなおふたりのタッグですから読まないはずはなし
川本三郎*1「旅する歌人の系譜継ぐ 寂寥と哀感」『毎日新聞』2022年1月8日 細川光洋『吉井勇の旅鞄 昭和初年の歌行脚ノート』の書評。 「これまで語られることの少なかった旅する歌人としての吉井*2を語る」本であるという。 日本には旅する歌人という系譜がある。旅から旅への漂泊の人、西行や、諸国を遍歴した連歌師の宗祇、あるいは芭蕉を加えてもいい。明治、大正、昭和を生きた吉井勇もまたこの系譜に属する歌人であったことを、著者は豊富な資料を駆使して明らかにしてゆく。 歌枕という言葉があるように、日本人は未踏の地を旅するより、先人たちが歩いた地を辿るのが好きだ。吉井勇も瀬戸内を旅する時にはかつてこの地を…
GWのPOS店売上げ、日販13.9%減、トーハン1.5%減 https://www.shinbunka.co.jp/news2022/05/220511-02.htm 日販、5日に発生したシステム障害について説明文 https://www.shinbunka.co.jp/news2022/05/220510-01.htm 美智子さまが「本屋さんをゆっくり歩いてみたい」と…決行された朝10時の“渋谷ジュンク堂大作戦” https://bunshun.jp/articles/-/53998 Amazon.co.jpでPayPayが利用可能に https://pc.watch.impress.co.…
■柏餅 今日は晴れるようだ。朝から天ぷらを揚げ、メンマもどきを作って出かける。頭の中は昼食の事である。今日はラーメンの日である。暑ければ冷麺で寒ければ温麺で考えていたが、なかなかまとまらない。結局、オーソドックスなミソラーメンになった。上に、めんまもどきを大量に散らした。家人が、柏餅を買って来てくれた。 柏餅については、その意味などあまりしらない。自分としては、かしわの葉の方が興味があるね。 昼食後はブラブラ歩く。イチゴの葉があったが、花は見たことがない。調べたら、花いちごとあった。もちろん図鑑には載ってない。 公園で休んでいると、ヨックルさんから連絡が来て、柏餅をもらって欲しいとのこと。ちょ…