蜜すこし蝿を寄せたる帰り花 鉢に植えたヒメユウスゲが咲いた。なんと12月、大雪のこの時季にである。目に飛び込むような鮮やかなレモンイエローの花弁。花茎がほとんど伸びていないため、花は地面から突然咲き出している。転がっているように見える。葉は余りない。 これには驚いた。なんという異常さ。少し前に10月にカワヅザクラが満開になって驚いたが、またまた、である。花はもう翌日には萎れて情けなく小さく縮んでしまった。 「帰り花」という俳句の季語があるが、見ていてもそういう感慨がわいてこない。最近は「狂い咲き」だと感じてしまう。 花が時期を外れて咲くのはよくあること。詩人の心を動かすのだろう、芭蕉も蕪村も一…