standing army
平時から編制されている軍隊。もしくはそのための諸制度。
歴史的に見れば、軍事支出は常に政府にとって最大の難事の一つであり、戦時になってはじめて軍隊を組織することも多かった。これは軍備が必要ない恵まれた環境であるとか、戦時にのみ兵士となるパートタイマーだけで十分だったとか、そもそもそれだけの力が政府になかったとかが考えられる。
中世ヨーロッパの場合、統治機構は封建制という形で分権化がなされており、軍事力についても、各地の騎士たちがその担い手だった。
これに対して王権(中央集権)の強力なオリエントの大国においては、しばしば君主に直属する強力な軍隊が組織されていた。
ヨーロッパにおいては火器に代表される新しい武器の導入や、戦争規模の拡大、財政基盤の強化、頻発する戦争などによって、王権が強められ同時に常備軍も整備されていった。
常備軍は官僚機構や徴税システムと共に王権を支える最重要な存在となった。
一方、近代史上最初の共和国として誕生したアメリカ合衆国においては、常備軍と呼ばれる物に対する強い忌避感が存在した。
ボヘミアン・ラプソディ第9話名士王ボジェクⅡ世 西暦1013年、11世紀に入って初めてボヘミア王に即位したボジェクⅡ世の治世は大きく三つに分けられる。偉大なる父王たる敬虔王の戦争の後始末と兄弟殺しを犯してまで王国の安定を求めた前期、封臣たちの反乱による二度の「分権戦争」とその敗北と勝利による混乱の中期、家族を愛したことで名士王と呼ばれ、そしてその家族を失う晩年の後期である。 ではまず前期から語っていこう。 父王から19歳の若さでボヘミア王を継承したボジェクⅡ世であったが、彼は男兄弟が多かった。彼自身も次男であり、継承権は生母たる王妃の強力な推薦と長男の修道院への出家によるものであった。三男でソ…