《真の罪の文化が内面的な罪の自覚にもとづいて善行を行なうのに対して、真の恥の文化は外面的強制力にもとづいて善行を行なう。恥は他人の批評に対する反応である。人は人前で嘲笑され、拒否されるか、あるいは嘲笑されたと思いこむことによって恥を感じる。いずれの場合においても、恥は強力な強制力となる。ただしかし、恥を感じるためには、実際にその場に他人がいあわせるか、あるいは少なくとも、いあわせると思いこむことが必要である》(ルース・ベネディクト『菊と刀』(講談社学術文庫)長谷川松治訳、p. 273) 本書を受け、法社会学の泰斗(たいと)・川島武宣(たけよし)は次のように述べた。 《本書に描かれまた分析された…