(1872-1979) 彫刻家。
岡山県で生まれた平櫛田中は、岡倉天心の薫陶を受け、彫刻家の道に。 明治末期の1900年代から木彫りを始め、精神性の高い作品を発表。力強く骨格のある作風で知られていた。 特に代表的な「鏡獅子」は、6代目・尾上菊五郎をモチーフに1938年にその下地を作成。1958年に完成させた。100歳になっても創作意欲を見せた田中は、1979年に亡くなった。
こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。 11月26日 琵琶演奏会「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」。いただいたアンケートを紹介しながら振り返りたいと思います。 【小泉八雲「耳なし芳一」の朗読に、琵琶の音色を重ねた作品】「朗読における琵琶の効果を十分に感じられました」「臨場感があり、広がりを感じました」「古文の意味はむずかしく、耳なし芳一のような現代文の朗読との組合わせは、伝統の琵琶への理解が深まり、広まっていくように感じました」-今回の演奏会の狙いが伝わったようで、よかったです! 「目をつぶって聞いていると、景色が浮かんでき…
こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。 先週土曜日11/26に、第1回琵琶演奏会「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」を開催しました。 会場は、明治~昭和にかけて活躍した彫刻家・平櫛田中さんの元アトリエ。谷中霊園の近くにあります。 当日は、アトリエ以外にも母屋の1・2階の和室も見ることができ、この貴重な建物を皆さん、じっくり見て回っていました。 「琵琶×朗読で味わう日本の名文学」は、第一部が“朗読と琵琶の掛け合い”、第二部が“琵琶の語り”です。近代文学の言葉、古典風の琵琶の語り、それぞれに琵琶をのせることで、それぞれの魅力が伝わ…
こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。 9月25日(日)、旧平櫛田中邸の一般公開日「田中邸を味わう日」コラボ企画として、「薩摩琵琶ワークショップ」を開催しました。 まず琵琶について簡単に説明し、さっそくひざに乗せて弾いてみます。バチの持ち方、琵琶を持つときの姿勢を整えて、基本の弾法にチャレンジ。 琵琶の演奏を聴いたことのある方から、あまり聴いたことのない方まで。皆さん、時間の経過も忘れて夢中です。 琵琶は弾くだけではありません。語りも自分自身です。今回は『平家物語』の有名な冒頭部分「祇園精舎の鐘の声~ただ春の夜の夢幻のごとく…
(中原悌二郎『若きカフカス人』、1919年、北海道立近代美術館) ★中原悌二郎 没後100年展 北海道立近代美術館、2022年8月21日(日)14:00 (WEBサイト→) artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp 北海道釧路市に生まれた中原悌二郎(1888年-1921年)は、移り住んだ旭川や札幌で美術への傾倒を深め、絵画を学びます。北海道庁立札幌中学校では、美術教師だった林竹治郎に影響を受け、画家を志すようになりました。 (林竹治郎『朝の祈り』、1906年、北海道立近代美術館) その後、21歳のときに荻原守衛と出会い、ロダンがもたらした力感溢れる表現に感激し、彫刻へ転向。重…
(中原悌二郎『若きカフカス人』、1919年、北海道立近代美術館) ★中原悌二郎 没後100年展 北海道立近代美術館、2022年7月10日(日)-8月21日(日) (WEBサイト→) artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp 北海道釧路市に生まれた中原悌二郎(1888年-1921年)は、移り住んだ旭川や札幌で美術への傾倒を深め、絵画を学びます。北海道庁立札幌中学校では、美術教師だった林竹治郎に影響を受け、画家を志すようになりました。 (林竹治郎『朝の祈り』、1906年、北海道立近代美術館) その後、21歳のときに荻原守衛と出会い、ロダンがもたらした力感溢れる表現に感激し、彫刻へ…
こんにちは。薩摩琵琶奏者の中尾掌水、ヨガインストラクターのゆうこです。普段は書籍の編集者として働いています。 9月25日(日)に、琵琶のワークショップを開催することが決まりました!琵琶を実際に弾いたり、『平家物語』の有名な冒頭「祇園精舎の鐘の声……」のくだりを語ったりしながら、琵琶ともっと気軽に触れてもらいたいと考えています。 会場は、旧平櫛田中(ひらくしでんちゅう)邸アトリエです。平櫛田中氏は、明治から昭和にかけて近代木彫を発展させた彫刻家。22年の歳月をかけて完成したという代表作《鏡獅子》は、国立劇場に展示されています。彼の旧アトリエ・居宅が谷中にあるのです。 旧平櫛田中邸が建つ谷中エリア…
(中原悌二郎『若きカフカス人』、1919年、北海道立近代美術館) ★瀬戸厚志「中原悌二郎と荻原守衛」 北海道立近代美術館、2022年8月21日(日)14:00 (WEBサイト→) artmuseum.pref.hokkaido.lg.jp 北海道釧路市に生まれた中原悌二郎(1888年-1921年)は、移り住んだ旭川や札幌で美術への傾倒を深め、絵画を学びます。北海道庁立札幌中学校では、美術教師だった林竹治郎に影響を受け、画家を志すようになりました。 (林竹治郎『朝の祈り』、1906年、北海道立近代美術館) その後、21歳のときに荻原守衛と出会い、ロダンがもたらした力感溢れる表現に感激し、彫刻へ転…
小平市にある 「平櫛田中彫刻美術館」に行って見た。 玉川上水を歩いていると看板発見。 今日は夏みたいな天気、汗ばむ。 入り口近くにも案内看板がありました。 西武多摩湖線、一橋学園駅の近くです。 日本近代木彫会の巨匠。 入り口はこちら。 館内は1階の受付を通って、鑑賞。 木彫刻の作品を見るのは新鮮だ。 以前テレビで、 「鏡獅子」の製作過程のドキュメンタリーを見ていたので、 記憶が蘇る。 庭には彫刻用の原木が置いてあります。 なんと、100歳の時に用意したものだそうです。 意欲がすごい。 5.5トンの迫力。 良い天気でよかった。 怖い看板。 今日もよく歩いた。 www.sanpo.blog www…
★福よ来い! おめでたいかたち展 小樽芸術村・旧三井銀行小樽支店、2021年12月23日(木)-2022年2月15日(火) (WEBサイト→) www.nitorihd.co.jp 小樽芸術村の収蔵作品をご紹介する小さな企画展「トピック展」。今回は、新年がよい年となるよう願いを込めて、「おめでたい形」をテーマに開催いたします。会場では、お正月の風物を描いた浮世絵や、おめでたい意味付けがされている題材があらわされた作品17点を紹介しています。このうち、喜多川藤麿『羽根突き美人図』(肉筆浮世絵)、歌川国芳『梅の魁』、片岡球子『富士』の3点は、今回が当館初出品となります。下村観山『寿老』や、川端龍子…
よろコンです。 なんだかんだと気ぜわしい年度末。ブログをちゃんと書くのも久しぶり(書いては途中でやめて、中途半端なブログの数だけが溜まってしまった^^;) これから、さらに怒涛の年度末! に向かっていく前に、心の準備として今日は(恐らく)今年度最後の年休。良い天気の中、普段は行かないようなところを回ってきました。 それは・・・ 駒場東大前(京王・井の頭線) (安田講堂を一回り小さくしたような建物。ちなみに本郷の三四郎池に対して駒場には一二郎池というのがあって、これを見ると留年するという噂もあるとか。恐ろしい・・・(Web情報です(^^;)) なんで、ここに来たかは後ほど さて、お昼過ぎに到着し…
昨日、法政大学 大原社会問題研究所(大原社研)HPのデータベースに、権田速雄氏が寄贈した未公開の「権田資料」のデータが公開されました。大原社研HPの「資料検索」ボタンをクリックして、キーワード「権田保之助」で検索すると2,430件がヒットします。その内、DB名に「OISR.ORG統合データベース」と書かれた2,356件のデータが、今回新たに公開された「権田資料」です。 [大原社研HP]https://oisr-org.ws.hosei.ac.jp/ 明治から昭和初期の権田保之助の封書・書簡・葉書が全体の半数弱を占め、講演原稿なども多数登録されています。外遊時に購入したと思われる絵葉書や旅行案内…
家族に関する記述は、特に後半は流し読みになってしまったので漏れがあるかも知れない。住所も同様で、精読した訳ではないから漏れがあろう。ただ、今後本書の内容を活用する際の指標として、拵えて置きたいのである。 ・河本(先崎)家の住所 52頁15行め「 当時、亀子は瀧野川区中里三四五番地(現・北区中里三ノ六)に住んでいた。‥‥」53頁3~4行め「‥‥。そこは田端台地の一郭、現在のJR山ノ手線・田端ト/ンネルの上に当たる。‥‥」 61頁14行め~62頁6行め、 亀子のおなかに亥之吉の子が宿った。それが人に気づかれ始めたところで彼女は社会局/をやめることになった。【61】 彼女は中里の平家建ての借家から母…
〜田中トランプのこれまで〜 poolame.hatenablog.com poolame.hatenablog.com この田中トランプにおいて平櫛田中をどうするか考えて参りました。 ばばーん 平櫛田中(ひらくしでんちゅう)。彫刻家。享年 108 歳。彼が 100 歳を超えたときに彫刻用に購入したクスノキ。クスノキはしかし、20 年ほど乾燥させないと彫刻には使えないとか。それで、この木が掘れる頃には 120 歳になっていますねと言われると田中は「まだまだ作りたい作品がある」と言ったとか言わないとか*1。 これがその クスノキ おやっ こっちはなんだっけ? 平櫛田中、旧姓田中。平櫛姓は養子先です…
台東区谷中は何回も探索したことがある。 旧町名に関する新しい発見はもうないと思っていた。 でもあったのだ。 初見の「谷中初音町」の電力プレート(④)が。以前発見したものもあるので合わせて紹介することにしよう。 ①台東区谷中初音町四ノ一六〇 発見日 2021年5月1日 発見場所 東京都台東区谷中 ②ヤナハツ-8 発見日 2021年10月5日 発見場所 東京都台東区谷中 ③ヤナハツ-29 発見日 2021年10月23日 発見場所 東京都台東区谷中 ④ヤナハツ-34 発見日 2023年1月21日 発見場所 東京都台東区谷中 電力量計のコードが邪魔で全体は見えない。 ⑤ヤナハツ-39 発見日 2021…
平櫛田中回顧談 (単行本) 作者:平櫛 田中 中央公論新社 Amazon www.kinokuniya.co.jp 出版社内容情報 平櫛 田中[ヒラクシデンチュウ]著・文・その他 本間 正義[ホンママサヨシ]編集 内容説明 気韻生動、神韻縹渺の秘密。彫刻家・平櫛田中が自身の来し方を語った聞き書き記録。魅力あふれる自伝・芸談であるのみならず、田中が接してきた芸術家、芸術界に関する貴重な証言満載。 目次 生いたち大阪と中谷一家奈良と森川杜園東京に出る禾山和尚長安時の生活茶屋町の生活米原雲海と山崎朝雲岡倉天心と日本彫刻会岡倉天心の思い出日本美術院の再興上野桜木町の家とその頃の諸作二児を失う色々の天心…
先月の日記(10月23日から11月23日分) 11月24日古川日出男長篇詩『天音』を朝起きてからゆっくり読む。『ゼロエフ』の終盤から通じるものも感じられたし、「日本」について内外の空と陸と海から詠うリズムと言葉と視線があった。不思議な読み応えだった。「日本」というものを描くとすると「天皇制」の起源となる日本神話に、国産みの話は外せない。そこには空と陸と海があるから、彼方の宇宙へと向かう意志と物語がある。空の海は彼岸であり、大地は此岸であり、人間とは空と大地の間で生きている。浮かび続けることはできないから何度も飛び跳ねてその重力に抗う。やがて肉体が滅べばそこから解放されて空へ、宙へ、彼岸へ向かう…
2022年10月から「1日7句」を目標に川柳を詠むことにしました。 そのうちの「まあまあ」と思われる句を108(煩悩と同じ数)ほど選んで小冊子にすることができました。アマゾンで今日頼んで、明日の29日に自宅に到着します。 『戒語川柳 1』となっており、「2」「3」も準備中です。 108のうちの代表作は、「ユニクロと スシローニトリ 衣食住」で、表紙に掲げました。「禿頭と 白髪の夏 同窓会」「多様性 生物以上の人間性」「会社人 卒業やっと 社会人」「結界の 中はそれなり コロナ紀も」「地図アプリ 方向オンチ まだ迷う」「品格へ 年季を積んで いぶし銀」、、、。 戒語川柳 1 作者:久恒啓一 In…
今日の国立劇場のオープンシアターはかなり楽しみました。 pic.twitter.com/EmCP5vqTlQ— ねこもり (@nekomori774) 2022年12月11日 www.ntj.jac.go.jp現状の国立劇場が建て替えで無くなる前に企画されたオープンシアターへ行く。 入場料500円と安い上にステージツアー1000円というのが売りに出されたのだがステージツアーが売り切れてしまったのでロビーと観客席を出入りするだけの見学に。 「平櫛田中=作『鏡獅子』レクチャー&デモンストレーション」も専用席は売り切れてたけどロビーだったら音声が聞こえたのであんまり問題なかったと思う。数時間居たけど…
毎週日曜日は、この一週間に週刊誌などの書評に取り上げられた旬の本を紹介しています。書評内容については各誌・HPをご覧ください。 今週の書評本 表示凡例◆掲載された媒体: 発行号数 掲載冊数書籍タイトル 著者 出版社 税込価格 書評掲載回数(2回以上のもの) ◆週刊朝日「週刊図書館」: 12/16 号 6 冊Ultimate Edition 阿部和重 河出書房新社 1,892 ②裸で泳ぐ 伊藤詩織 岩波書店 1,760女を書けない文豪たち イタリア人が偏愛する日本近現代文学 イザベラ・ディオニシオ KADOKAWA 1,815昭和史研究の最前線 大衆・軍部・マスコミ、戦争への道 筒井清忠 朝日新…
四天王寺(してんのうじ)中心伽藍 拝観レポ 四天王寺 五重塔と金銅 四天王寺の中心伽藍(有料エリア)の拝観レポートです(全体ガイドはこちら)。 広告- - - - - - - - - - // 四天王寺(してんのうじ)中心伽藍 拝観レポ 西重門(中心伽藍拝観受付) 五重宝塔 金堂 東重門 回廊 講堂 龍の井戸 四天王寺 ほかの記事 西重門(中心伽藍拝観受付) 西重門 中心伽藍の拝観受付は西重門へ(中門などからは入れませんのでご注意を)。門をくぐったすぐ左手に受付があり、拝観料を支払いました。 五重宝塔 中心伽藍に入ってまず目に飛び込んでくるのは五重塔。 四天王寺 五重塔 現在の塔は昭和34年に…
【カシャリ!庭園めぐりの旅】 鳥取県米子市 足立美術館 大観他の日本画と枯山水庭園 若い頃からひとり旅が好きで、経営コンサルタントとして独立してからは、仕事の合間に旅をしたのか、旅行の合間に仕事をしたのかわかりませんが、カメラをぶら下げて【カシャリ! ひとり旅】をしてきました。 旅のテーマは寺社や庭園めぐりです。 日本には「日本庭園」と呼ばれる庭園だけではなく、「イングリッシュガーデン」など、海外の庭園形式をした庭園も多数あります。寺社を訪れたときに、想定していなかったところに、庭園を発見することがあります。 下手の横好きで、【カシャリ! ひとり旅】を続けていますが、その一環で訪れた庭園を順次…
2022年 22.5cm×16cm 紙、鉛筆、水彩 11月の午後、小平市の平櫛田中美術館で展覧会を観た帰り、天気も良かったので国分寺駅まで歩くことにしました。途中玉川上水沿いの道で絵でも描こうと思ったのですが、ピンと来る景色がなかったので、そのまま駅を越えて殿ヶ谷戸庭園まで行ってみました。 ここは前にも紅葉の時期、スケッチに来たことがあります。その時は庭内の高い位置にある東屋から見下ろすアングルだったので、今回は小径を下って池の端から描きました。夕刻が迫っていたため、慌ただしくスケッチブックを出して描き殴った様な具合です。ほとんど抽象画ですが、しばらく眺めていると、下半分の池の左寄りにある岩や…