紫宸殿の桜 重盛 義平│尾形月耕「日本花圖繪」明治丗年(悪源太、源義平)の給ひけるは、「端武者共に目なかけそ、罪作りに。大将軍重盛計に目を懸よ。はしの匂の鎧に、蝶の丸すそ金物、黄鴾毛の馬の乗ぬしこそ大将軍よ。押ならべてくんでおち、てどりにせよや。者ども。」と下知をす。重盛をくませじとふせぐ平家の侍ども、与三左衛門・新藤左衛門を始として、百騎計中にへだゝる。悪源太を初めて十七騎の兵ども、大将軍重盛ばかりにめをかけてくまんと大庭の椋木を中にたて、左近の櫻、右近の橘を五廻・六廻・七廻・八廻、既十度計に及んで組んくまんとかけければ、十七騎にかけ立られて、五百余騎かなはじとや思ひけん、大宮面へざと引。(…