中央の集権的権力による「多様なものの強制」は複数の場面で可能ですが、最も即効的なのは「一流」大学の入試問題を「田吾作詰め込み主義」から解き放つことです。入試内容につられる形で、高校の授業が、正答がない課題に傾斜するように、誘導するわけです。 ここに「不安のポピュリズム」はない。ここにあるのは、文科省が二〇年間やってきたゆとり教育と、現場の「田吾作平等主義」や「田吾作詰め込み主義」との乖離です。乖離した理由は、大学入試改革を含め、徹底した強制がなかったからです。(宮台真司、鈴木弘輝、堀内進之介『幸福論 〈共生〉の不可能と不可避について』NHKブックス、2007) こんにちは。臨時休校中に刷られた…