私には失うものが一つもない。 旦那はいるが、旦那は私がいなくなっても一人で生きて行けるタイプだ。 三年間連れ添った私がそう思うのだから間違いない。 私が大切に想っている弟も家族を作り幸せに暮らしている。 愛犬も天国へ行ってしまった今、完全に私は自由。 自由なのはいいが、失うものがない人ははっきり言って危うい。 それを強さと勘違いしている人が多いのだが、強さではない。 私の場合は四十年間かけて、様々な人間関係や過去を「清算」してきた。 簡単に言えば、私に群がる人々の私に対する愛が本物かどうかを見極めるために、金もないのに日本中を放浪していたということだ。 『破壊から再生へ』の帯には、「故郷も捨て…