出版社。
幻戯書房は歌人で作家の辺見じゅんが、父であり、角川書店の創立者である角川源義氏の創業の精神を受け継ぎ、新たに設立する出版社です。
角川源義が自宅を「幻戯三房」と呼んでいたことに由来する。
【課題】ハーマン・メルヴィル/牧野有通訳『ピェール 黙示録よりも深く』(幻戯書房)【日時】2023年4月22日(土)12:30〜17:00【場所】喫茶室ルノアール新宿役所横店 【参加】7名 ピェール: 黙示録よりも深く (上) (ルリユール叢書) 作者:ハーマン・メルヴィル 幻戯書房 Amazon ピェール: 黙示録よりも深く (下) (ルリユール叢書) 作者:ハーマン・メルヴィル 幻戯書房 Amazon 数年ぶりの対面読書会、しかも課題本が課題本なのでどうなることかと思っていました。 が、蓋を開けてみれば一人では得られない発見が多くあり、上下巻¥8000となかなか手に取りにくいお値段ではある…
■『メディアあさひかわ』10月号に、~旭川の詩誌「フラジャイル」第18号が発行・「北海道文学」を考える貴重な”新発見も”~、大きく掲載戴いております。誠にありがとうございます。 向井豊昭の最古の詩篇「花火」の翻刻掲載と岡和田晃氏の「現代北海道文学研究(7)向井豊昭の新発見詩篇と結核療養所でのサークル運動、詩のゲスト寄稿(福田拓也氏、二条千河氏、クノタカヒロ氏、吉成秀夫氏、ソマイア・ラミシュ氏)、阿部嘉昭氏による「錯綜のゆたかさ——井上春生『眩暈 VERTIGO』について」、細田傳造氏の講演録「高﨑現代詩の会「現代詩ゼミ」の為の前書Advertisement for Myself 2023」のこ…
飛行船と万年筆から『ツェッペリン飛行船と黙想』という本にいきあたった。 krokovski1868.hatenablog.com krokovski1868.hatenablog.com はずかしながら、上林暁という作家を知らなかった。どうも文学は敷居がたかくて食指がうごかない。 濃淡でいえばあきらかに淡のほうのひとで、適度な表現で簡潔に視覚的な描写をする。語彙が多彩で、つかう分量がちょうどいい。一見、なんの変哲もない文章なのだけれど、緻密に練られた結果としてそうなっているのが伝わる。ことばの抽斗をふやす努力を10年単位で継続し、かつ文に対する美意識を磨きつづけないと、こうはならないのではない…
0.はじめに 1.犯罪映画と戦争映画 2.さまざまな題材 3.『ナポレオン』 史上もっとも有名な”作られなかった名画” 4.ナチスへの関心 5.1980年代 0.はじめに 映画研究者のフィリッポ・アルヴィエリによれば、確認できるスタンリー・キューブリック監督の未完成プロジェクトは、およそ60作あり、実際に完成させた13作よりもはるかに多い。本記事では、それらをなるべく時代順に沿った形で紹介していく。ただしキューブリックはしばしば複数の企画を並行して進めていたので、記述が前後する箇所もある。また半生をかけた大きな企画(『A.I.』『アーリアン・ペーパーズ』)については後編でまとめて触れることとす…
今回紹介する作品は、 『ナチスに仕掛けたチェスゲーム』です。 【あらすじ】 ロッテルダム港を出港しアメリカへと向かう豪華客船に乗り込んだヨーゼフ・バルトークは、船内で行われていたチェスの大会を目撃する。彼は世界王者と対局中の船のオーナーにアドバイスを与え、劣勢にあった局面を引き分けにまで持ち込ませる。バルトークに興味を持ったオーナーは「大会で何度優勝した?」と尋ねるが、彼は「駒に触ったのは初めてだ」と答えた。 バルトークはかつてウィーンで公証人として働いていたが、ヒトラー率いるドイツがオーストリアを併合したことにより、ナチスに連行されていた。ゲシュタポから貴族の預金番号を教えるよう迫られたバル…
🌈日頃より詩誌「フラジャイル」の活動へのご理解、ご支援を賜り、心より感謝申し上げます。おかげ様にて第18号(2023年9月10日発行)が完成致しました!☆今回は600部発行。謹呈分は9月2日に発送致しました。皆様どうぞ宜しくお願い申し上げます。📗表紙の写真は谷口雅彦氏の作品(写真集『日々の旅1993-2002』より ©谷口雅彦写真アーカイブ室)です。 ~ 向井豊昭の初期詩篇を発掘掲載!! ~ ■1960年代のアイヌの教育向上運動に深く関わり、鳩沢佐美夫ほかキーパースンとの交流もあった小説家・向井豊昭(1933-2008)。戦後文学の「ヤマト中心主義」的常識を書き換える強度と前衛性を含んだその…
「歴史好き」の人が、歴史学者と話が合わない、というのはよく聞く話だ。なぜなら、「歴史好き」はつまらない事実より面白いストーリーを優先するのに対し、歴史学者は面白いストーリーよりつまらない事実を優先する傾向にあるからだ。 本記事は、小説家による歴史本と、根拠が数多くチェックされる学問としての歴史学を対比することで、本屋で歴史本を買うことのリスクを提示する。
曇。 スーパー。外気30℃で随分と涼しいが、夏はこれくらいでいいんだが。 昼。 イオンモール各務原のフードコートで読書しようかと思って行ったら、まだお盆休みなのかすごくたくさんの人。駐車場からして満杯で、こんな中でフードコートで読書していたら迷惑なので、本屋とユニクロへ寄って撤退する。未来屋書店では、ブルーバックスの『宇宙検閲官仮説』がたまたまあったため、購入。SF のような書名だが、さにあらず、一般相対性理論の「特異点」は物理法則を破綻させるが、それが存在することはわかっている。ゆえに、ブラックホール外での「裸の特異点」を禁じる何かがあるのではないか、という話らしい。ブルーバックスひさしぶり…
東十条の女 作者:敦, 小谷野 幻戯書房 Amazon 収録作だと、猫猫先生の結婚前の異性関係を書いた表題作が圧倒的に面白い。金や下半身事情というワイドショー的な下卑た好奇心を大いに満足させてくれる。私も頑張ればこのくらいできたのかなぁ。まあ無理だったろうなぁ……。
蛍日和: 小谷野敦小説集 作者:小谷野敦 幻戯書房 Amazon 図書館で借りて読了。 表題作の夫婦関係がとてもほほえましくて羨ましい。少し抜けたところがあるけど社会性もあってしっかり猫猫先生を支える奥様の姿が可愛らしくて立派過ぎる。 他の3作も面白い(「幻肢痛」は私も不安神経症気味でかつ今の状況もあり、特に共感的になって身につまされた)。「村上春樹になりたい」はタイトルだけで思わず吹き出してしまうが、この後も面白おかしくドタバタ・スラップスティック風に続けてくれたら大爆笑できる傑作になりそうな気がするので、是非完成させてほしい。
米山優『アラン『定義集』講義』幻戯書房(2018) ドニ・ベルトレ『ポール・ヴァレリー 1871-1945』法政大学出版局 (2015) ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー 日記 今日も仕事を終えたあとは『ポール・ヴァレリー1871-1945』のつづきを読み進めた。 160項まで読み終え、ヴァレリーの学生時代に関する記述は概ね完結した。 ヴァレリーの独創性は神秘主義的思想や、数学と哲学と融合させた、ミクロの世界とマクロの世界を統一しようとする壮大な宇宙観にその源泉があるように思われた。 ヴァレリーは詩のなかに、この世界を記述し得る可能性をランボーやマラ…
7/27, 8/24, 9/28 (木)19:00~20:30 苅部 直 文庫でよむ近代日本の思想 朝日カルチャーセンター新宿 www.asahiculture.jp 本居宣長(上)(新潮文庫) 作者:小林秀雄 新潮社 Amazon 日本思想史の名著30 (ちくま新書) 作者:直, 苅部 筑摩書房 Amazon 鏡のなかの薄明 作者:苅部 直 幻戯書房 Amazon 「維新革命」への道 (新潮選書) 作者:苅部 直 新潮社 Amazon
バルコニーがたいへんなことになっている。90平米の部屋に対してその半分ほどもあって、ルーフバルコニーの方はピクニック(?)したり、プールを出したり、こたつに火鉢を出したり(気違い沙汰)して堪能しているが、今回はそちらではない。生き物係からの報告である。 めだか鉢に入れる水草、毎年アナカリスやホテイソウ、フロッグピットでは面白くない。今季はやや値は張るけど侘び草を投入。アクアリウムに興味ない方に注しておきますと、これは数種の水草を寄せ植えした商品で(@AQUA DESIGN AMANO)、ある程度育成されているから育てやすく、土も付いているのでそのまま水槽にほうりこめる。要はチートモードの水草な…
自分勝手な思いで銘柄を眺め、昨日まではまだ買いたくないと思っていたものが今日には買いたくなり、下落してくれと思っていた銘柄が今は上昇してくれと頼み、投資は実に身勝手な思考と行動を掻き立ててきます。 悲観と歓喜の狭間で 変わったのは銘柄ではなく僕 悲観と歓喜の狭間で 今年はハイテク中心にNASDAQが歴史的な上昇をしている状況です。去年の悲劇的な状況から転じて資産爆増タイムとなっています。日々株価を眺めながら、自分勝手な投資にひた走る自分に釘を刺さずにはいられません。人間は実に都合の良い生き物です。 昨日までは「まだ買うのは辞めておこう」と思っていたのに、今日には「今買わないと間に合わないかも」…
インデックス投信のトップをひた走るeMAXISですが、新NISAを控えてその理念が信条なのか建前なのかが試されます。 野村が信託報酬を半減した新商品 三菱UFJ国際投信の本気度が試される 今後 野村が信託報酬を半減した新商品 www.nikkei.com 野村アセットが信託報酬を半減させたオルカンをリリースするそうです。eMAXISを運用する三菱UFJ国際投信は追従を逡巡しているとのこと。新NISAを控えてのインデックス投信争いが熾烈になりそうです。 単純に信託報酬の戦いというより、野村の場合はこれをフックに他の商品の売り込みに繋げることで収益を稼ぐ話には見えます。単品では赤字でも他の部門と総…
(雪岱←せったいと読むのね〜) いつだったか資生堂アートハウスを訪ねた時のお土産のポストカード。群れ群れな和傘と雨の線。資生堂にゆかりがあるという小村雪岱さん。どんな方なんだろう。その随筆集をみつけたので読んでみました。 描くにあたり雪岱さんの好きな女、美しいと思う女について熱く語っています。熱の入り具合が可笑しくてつい吹き出してしまう。古めかしい言い回しも相まって風情満点。もし時代が今だったならば、ただの覗き見おじさんになってしまいそうな、雪岱さんなのでした。 泉鏡花との深い関わりも次第にみえてきてます。そちらまで広げるのは、少々、異界が過ぎるのでやめておこっと。 多湿で蒸し蒸しな毎日にクス…