春、あちらこちらに次々に花が咲き、心地よい五月の風が頬を撫でていく頃、庄内では新緑の季節を迎えます。萌葱色、若苗色、若菜色、柳葉色、若竹色・・・、同じ新緑色でも微妙に違う緑色が一斉に萌え出し、そして田んぼには水が入ります。農家にとっていよいよ一年が始まる時期。鳥海山や月山はまだ雪をタップリとたたえ、この雪が1年を通して周辺の田んぼを潤します。農家にとってはかけがえのない山、神の山です。5月6日は「立夏」の頃となります。暦の上では「夏」を迎えます。この立夏に入る前に、村々では神社などでその地域ならではの様々なお祭りが開催されます。立夏に入ると農家は一斉に田植え作業が始まるので、その前に山の神を田…