明日出会う駅で ゴールデンウィークが終わった水曜日だった。柏木文(かしわぎあや)のデスクには、菓子箱がいくつも積み上げられていた。「ぶんちゃん先輩、これ東洋トラベルの皆さんからです」「え、また?」「お餞別ですって」文は困ったように笑いながら、紙袋を受け取りデスクの下に置いた。そこにも紙袋がすでに二つ並んでいた。 旅行会社ジャパン・ツーリスト・プランニング東京支店、国内手配課。その一角では今日も朝から何度も同じような声が飛んでいる。 「ぶんちゃん先輩、すみません!これで合ってます?」「ここボイドしていいんですよね」「ぶんちゃん先輩、この乗り継ぎ大丈夫ですか?」 「文のあやは文章のぶん」そう自己紹…