―その1771― ●歌は、「朝霧のたなびく田居に鳴く雁を留め得牟可も我がやどの萩」である。 坂出市沙弥島 万葉樹木園(45)万葉歌碑(光明皇后) ●歌碑は、坂出市沙弥島 万葉樹木園(45)にある。 ●歌をみていこう。 ◆朝霧之 多奈引田為尓 鳴鴈乎 留得哉 吾屋戸能波義 (光明皇后 巻十九 四二二四) ≪書き下し≫朝霧(あさぎり)のたなびく田居(たゐ)に鳴く雁(かり)を留(とど)め得むかも我が宿の萩(はぎ) (訳)朝霧のたなびく田んぼに来て鳴く雁、その雁を引き留めておくことができるだろうか、我が家の庭の萩は。(伊藤 博 著 「万葉集 四」 角川ソフィア文庫より) (注)たゐ【田居】名詞:①田。…