日本政治は、衆議院と参議院を両方有する「二院制」の形をとっている。しかし戦後には、「参議院は、衆議院と同じことしてるから要らないじゃん」という批判があった。さらに、2007年以降に衆参で多数派が異なる「ねじれ国会」が常態化し、「参議院が強すぎて、政治が全然動かないじゃんか。政治をすぐ動かせるように、一院制にしようよ」と、二院制が批判されてきた*1。 それでは、二院制を廃止して一院制を導入すべきだろうか。いや、導入すべきではない。一院制を導入することで、悪い政策がすぐ決定されてしまうリスクがあるからだ。 *1:加藤創太(2021年)「日本における二院制はどうあるべきか――「カーボンコピー」論と「…