男性の恋人のこと。氏をつけず、「彼」とだけで表現することもある。
これは1929年(昭和4年)に流行しはじめた言葉。もともと一般語として「彼」は使われていたが、漫談家の徳川夢声がその年刊行された『漫談集』のなかで、三人称の男性の代名詞で「彼氏」を使ったことがきっかけであるという。その後、恋人の男性の意味として使われるようになった。実は、夢声は当初、「彼氏」という言葉を使う予定はなく、「彼女と彼の会話」という一文を書いたとき、組版上の都合で1文字スペースが空いてしまったので、そこを埋めるために「氏」を付けくわえたのがきっかけだったという。