時は12~13世紀、ここは京。今日も愉快な公家とその周辺の輩(ともがら)が優雅な貴族生活を満喫している。 なんてのは全部幻想で、目の前には現実逃避も甚だしい高校三年生&愉快で多忙な日々を送る高校二年生が暑苦しく集っている。あとは、真面目に文化祭準備に取り組んだり、受験勉強に精を出したり、嗚呼、これが高校三年生の夏の模範であろう、という人々。 だが待て、しばし。本当にそんな青春で良いのか。俺たちの生きる世界はそこか。何のために京で生まれたのか。我々の生きるべき道は有職故実にあると思わないか!? >君たち、後朝(きぬぎぬ)ごっこをしないかね? 唐突に女生徒が提案したそれは、後朝の文のやり取りを模倣…