序章で、私は竹田青嗣に「理念から原理へ」を教わり直した、と書いた。 その序章のすぐあとに置かれた第一章は、〈世界像〉のような一語の概念ではなく、もっと大きな地図を広げる。題して「〈思想の現在〉をどうとらえるか」。私たちが今どこに立っているのか、その足元を、戦後の思想史をたどりながら描き出す章だ。 私がこの章に引き込まれたのは、ひとつの理由からだった。私がずっと抱えてきた「何不自由ないのに、満たされない」という感覚が、なぜ「今」という時代に固有のかたちをしているのか。竹田は、それを個人の性分の話にせず、思想史の側から説明する。 だからこの章も、序章と同じように腰を据えて読む。竹田がどこまで書き、…