はしご酒(4軒目) その百と百と六 「イノチ イノイチバン」③ 「でもね、命が、生(セイ)が、永遠ではないから、文学が、音楽が、アートが、モロモロが、この世に生まれた、と言っても過言ではない、とも思っている」、とAくん。 そういえば、あの「能」も、死の世界、を、彷徨(サマヨ)っているような、そんな感触がある。 「だけれども、だからといって、死を美化することは、あってはならない。命も、死も、弄(モテアソ)んではいけないし、弄ばれてもいけない、はずだ」、と、さらにキッパリとAくん。 予想通り、難しくなってきた。 メラメラと熱く続く、Aくんの「命と死」論に、私は、あらん限り集中させた私の両耳をロック…