ぼくの人生は多少の振幅はあっても、今になっては良くも悪くもなく平凡そのものだったと思える。だけど、平凡に満足するには非凡なものがいると思う。平凡な日常に満たされない思いが募ってくるのは致し方ないのだろう。定年後の日常の中では今日はまだ変化があった方だ。金沢の少し山の方に入った別所というところに、美味しい蕎麦屋があって昼は妻と一緒に「十割蕎麦」を食べた。ぼくは鴨南蛮で妻は山菜そばを注文した。鴨肉は6切れも入っていて柔らかだった。山菜は近くの山から採って来たものだと思われた。出汁が美味しく、湯飲みに蕎麦湯を足して二杯飲んだ。満足して出て、別所から犀川沿いの大桑にある「ぐるぐる広場」まで行って車を止…