街の自転車屋さんにはたいがい、 無料で自由に使える電動空気入れがあり、 この日、僕も、家の近所の自転車屋さんで、 自転車のタイヤに空気を入れていたのだ。 空気入れのヘッドを、タイヤのバルブに挿しこみ、 ぎゅっと力を入れて押し込むと、空気が入ってゆく。 そのとき、1人の80歳くらいのおじいちゃんが、 自転車を押しながらこちらにやってきた。 ちっちゃくて可愛らしい感じのおじいさんで、 空気を入れたいのかなあ、と思っていると、 彼は、僕の隣にしゃがみ込み、ニコニコしながら、 興味津々な感じで僕の作業をじっと見つめ始めた。 「これって、押すだけで空気が入るのん?」 「ええ、ぎゅっと押したら、勝手に入っ…