「僧帽弁閉鎖不全症」とは、左心房と左心室の間にある僧帽弁が変性することで、逆流が生じてしまう状態のことを指します。 病態の進行に伴い、心臓はうっ血し更に悪化すると「肺水腫」という状態となり命の危険が生じます。 肺水腫とは、うっ血した心臓を原因として、本来酸素交換を行うはずの肺に「水分」が貯留してしまう状態のことです。 陸上にいるが、溺れている状態、とよく言います。 今回紹介する症例の子は、残念ながら肺水腫が原因で亡くなってしまった子ではありますが、3回の肺水腫を発症してもなお復帰することができて、最後の日まで頑張ってくれた子でした。 6年前に健康診断で心雑音が発見され、心臓エコー検査において僧…