水はなぜ坂を下るのか 水が坂を下るのは、怠けているからではない。楽をしているからでもない。ただ、そこに動きが生まれるからだ。逆らわず、しかし受け身でもない。坂とは「力を入れなくても進める方向」のことではなく、「エネルギーが自然に循環する方向」のことだ。 じゃあ、私の坂はどこだろう? このイメージを人生に当てはめると、自然と問いが生まれる。なぜ私は朝起きるのか。なぜ夜遅くまで厨房に立っているのか。なぜ食材を選び、火を入れ、盛り付け、誰かの前に差し出すのか。なぜ、今さら体力を使う仕事を、自分の意思で続けているのか。 答えは意外とシンプルだ。それが私を動かす坂だから。 坂は「簡単な道」ではない ここ…