1948年のアメリカ映画。 原題「Letter from An Unknown Woman」(未知の女の手紙) 原作はシュテファン・ツヴァイク。 監督はマックス・オフュルス。 製作はジョン・ハウスマン。 脚本はハワード・コッチ。 撮影はフランツ・プラナー。 出演はジョーン・フォンテイン、ルイ・ジュールダン。
主演のジョーン・フォンテインと夫ウィリアム・ドージャーのランバート・プロの製作。 メロドラマ映画(女性映画)の古典として名高い。
忘れじの面影 [DVD] FRT-114
メロドラマというファンタジー アメリカ、マックス・オフュルス監督 87分 1900年頃のウィーン、決闘を明日に控えた落ち目のピアニスト、ステファンは相手が射撃の名手と知って逃げ出そうと思っていた。 家に戻ると見知らぬ女から一通の手紙が届いていた。病院からの手紙で「これを読むころ私は死んでいるだろう」と書かれていた。ステファンは手紙を読み始め、様々な出来事を思い出してゆく。 ここから回想シーンになる。 少女リザはアパートの隣室に引っ越してきた新進のピアニスト、ステファンに一目で恋してしまう。一途に思い続けるが、プレイボーイのステファンはまったく気づかなかった。 何年か後、偶然にも二人は再会し夢の…
マックス・オフュルス(Max Ophuls)による1948年作『忘れじの面影(Letter from an Unknown Woman)』について。 シュテファン・ツヴァイクの同名小説を原作とした映画。原作において、手紙を読む男は R. という名前で小説家という設定だが、この映画ではピアニストとなっていて、名前もシュテファンへと変えられている。シュテファン・ツヴァイクは、この映画のシュテファンと同じくウィーンを拠点としながら文化人としてヨーロッパの国々を転々とする生活を送っていて、『昨日の世界』という、幸福だった時代を描いた回想録を書き、1942年にヨーロッパの進む先に絶望し自殺したと言われて…
「見知らぬ女からの手紙」 若い頃、海外にいた時むしょうに「何か本が読みたい」と思った。 今のようにインターネットもなく、その時は小さな「図書室」しかない環境だった。 しかも図書室の本は辛気臭そうなのばかりだった。 おもしろそうな本を見つけるのは至難だったが、まずフランス語翻訳版の川端康成の『眠れる美女』を見つけた。 地の果てのような場所で日本文学に出会ったのは誇らしく感動的だったので、それを読むためにフランス語の勉強に力を入れる決意をした。 続いて、ナチスドイツの時代に悲劇の死を遂げたオーストリアの作家、シュテファン・ツヴァイクの短編集を見つけた。 ツヴァイクは小説よりもむしろ『ベルサイユのば…