「言志四録」(三) 言志晩録佐藤一斎川上正光全訳注講談社学術文庫1980年5月10日 第一刷発行 「言志四録」から。 5 胸中虚明 胸次虚明なれば、感応神速なり。 訳文胸中が空っぽで透明であるならば、(万事に誠の心が通じ)その感応は実に神のごとく迅速である。 付記・元の阪大学釜洞博士の遺文集『青雲』から。博士が、「人物とはなにか」と数人の人に聞いたところ、司馬遼太郎だけは「人物とは何か真空の部分があって、それが人を引き付ける。」といった。それはつまり、一杯我欲がつまっていては、ひとが寄り付かないということではないか。 ・禅の和尚さんの言葉から。ある田舎の婆さんが、お寺の和尚さんから「 応無所住…