高校生のころ、私は親友の家によく泊まっていた。以前も書いたが、彼女の家は寺である。しかも由緒正しいタイプの、逃げ場のない寺だ。 高校生というのは妙に行動力がある生き物で、私たちは夜になるとこっそり家を抜け出していた。その際、壁際に立っている石造を踏み台にしていたのだ。 墓石ではなかった。少なくとも、墓石っぽくはなかった。だから罪悪感も、ほとんどなかった。――その日までは。 ある夜、遊び疲れて寺に戻り、縁側の窓から親友の部屋へ忍び込んだ。制服のままベッドに倒れ込み、「もう無理」「死ぬ」と言い合いながら横になる。 ベッドの正面にはテレビが置いてあった。電源は切れている。だが真っ黒な画面は、妙にくっ…