NHK出版から2008年4月に創刊された思想誌。
東浩紀と北田暁大の共編で、論文を一般から募っていた。2010年までに5冊刊行された。
後に東浩紀はこれを引き継ぐ形で、新しい言論史「思想地図β」を2010年に創刊した。
NHKブックス別巻 思想地図 vol.5 特集・社会の批評
NHKブックス別巻 思想地図 vol.4 特集・想像力
NHKブックス別巻 思想地図 vol.3 特集・アーキテクチャ
NHKブックス別巻 思想地図 vol.2 特集・ジェネレーション
NHKブックス別巻 思想地図 vol.1 特集・日本
昔目を通していた、「現代思想×社会課題」をいくつかのトピック立てした好シリーズ「思想地図」別巻(NHKブックス)を再読することにした。 もっとも、当時は、4本(1日本、2ジェネレーション、3アーキテクチャ、4想像力)あるうち、前者2本のみを読んでいただけだが。 本格再読はこれからなのだが、今回は、自分が「ゼロ年代思想」に対して取っていた、極めて特殊な距離感について整理してみたい。 「ゼロ年代思想」と言っても、本格的な思想家・哲学者と言えるのは、東浩紀唯一人と言って差し支えないだろう。他の論客には少々失礼かもしれないが… 無論、東周辺にいた多くの学者や論客たちの面々や、彼らの取り組んでいた課題群…
譜面絵画 vol.15 『良いキャンペーン』@小竹向原アトリエ春風舎 譜面絵画vol.15 『良いキャンペーン』@小竹向原アトリエ春風舎を観劇。譜面絵画という劇団名は以前から知ってはいたが、劇団の本公演を見たのは今回が初めて。作演出の三橋亮太の作品を見たのも今回が初めてだと思っていたのだが、このサイトの過去記事を検索してみると、昨年5月に同じアトリエ春風舎でやられた二本立て公演、綾門優季+三橋亮太 ダブルビル公演「おまおまいういう」で短編作品『え待って?他感作用あるん知らなくて草』を観劇していたことが、分かったが女優が何人か登場していた会話劇風の作品だったという以上に強い印象はなくて、実質的に…
こんにちは。冨樫純です。 哲学や倫理学に興味があり、それに関連する本を読んでいます。 そこから、個人的におもしろいと感じたところを引用し、感想を書きたいと思います。 タイトル 原発事故を未来に伝えるための「観光地化」 2012年10月の28日と29日、福島県南相馬市に行ってきました。 現地でワークショップを開くためです。 ぼくが発行している『思想地図』は、次号で「福島第一原発観光地化計画」という特集を予定しています(のち2013年秋に発売)。 25年後の福島第原発跡地を観光地に変えてしまおうという計画です。 なぜ25年後かというと、チェルノブイリが関わっています。チェルノブイリは1986年に原…
* 雑役仕事と金が尽きて、もうしばらくになる。おかしなもので足りないときほどしたくなるものだ。創作や自涜、どちらも空想と実感を一致させてゆくという点でよく似ている。台所には甘味料、香辛料、油、肉などなし。あるのはしなびた野菜のいくつかと、わずかな麺類。そしてとうとうあいてしまった靴の孔――そこへ公園のベンチがこちらに近寄ってくる。 おかしなものであまっているときはこういった苦痛について、おそろしく鈍感で、まえにも遭った、経験済みの苦痛をまたしてもやらかしてしまう。反復また反復、おそらく精神医学じゃあ、とっくに名札のついた動きなのだろうが、こちらとしてはどうにもならない。それを知ったところで日雇…
* 人間の消滅とポスト・ヒューマニズム ポスト構造主義を代表する思想家の1人であるミシェル・フーコーは『言葉と物』(1966)において「人間の消滅」という挑発的なテーゼを提示して一躍時代の寵児としての地位を確立しました。難解な専門書にもかかわらず「バゲットのように売れた」といわれる同書は中世以降の西洋における「エピステーメー」の変化を主題としています。ここでいう「エピステーメー」とは、ある時代や社会の思考システムの基本的な布置を指しています。そしてフーコーは西洋の歴史におけるエピステーメーはルネサンス期(16世紀以前)、古典主義時代(17〜18世紀)、近代(19世紀以降)という三つの段階の境界…
想像力を働かせて生きていく 人生はわからないことだらけです 答えはなくただむなしい荒野が広がるのみ そう感じられる時もあるでしょう 意味がないと感じるのも その日その時にしか感じられない気持ちなのかもしれません 人生の大半は劇的な出来事の連続というより 平凡で平(たい)らな意味がないとしか思えない そんな日々なのかもしれません 人生100年時代と呼ばれるようになった今日(こんにち) 誰でも情報をSNSでキャッチできるようになった一方で いまだに解明されていない出来事もちゃんと存在していて それを知りたいと思う人々の思いは尽きることはありません しかしながらすべてを知って生きている人などどこにも…
◆2024年◆ ・[連載]大澤聡「文芸時評《8月》――夜の出来事 家の呪縛、人生の辿り直し」(『毎日新聞』、毎日新聞社、夕刊文化面、2024年8月28日) ・[対談]西田亮介×大澤聡「ネットに氾濫する「エモい記事」の根本問題」(『PRESIDENT』、プレジデント社、76-80頁、2024年9月13日号) *「PRESIDENT Online」に全文転載(8月30日) ・[連載]大澤聡「見聞録 メディア[8月]――父の病床で数字に一喜一憂 データに変換される生」(共同通信、2024年8月21日配信)*全国各紙に順次掲載 ・[論説]大澤聡「リアルであれとメディアはいう」(『中央公論』、中央公論新…
◆執筆一覧【2016年】 ・[連載]大澤聡「アーカイブ[52]――人工知能問題はアーカイブ問題である。」(『出版ニュース』、出版ニュース社、17頁、2016年12月下旬号)・[連載]大澤聡「ネット社会時評[12月]――必要な情報が埋没する DeNAサイト問題」(共同通信、2016年12月20日配信) *全国各紙に順次掲載・[回答]大澤聡「2016年下半期読書アンケート」(『図書新聞』、図書新聞、第3284号、12面、2016年12月24日)・[鼎談]竹内洋+片山杜秀+大澤聡「教養主義の“没落”と出版の未来」(『中央公論』、中央公論新社、162-169頁、2017年1月号)・[コラム]大澤聡「《…