拙宅玄関の下駄箱の上である。ごく当りまえの、どちらかといえば、今一歩片づいていない玄関まわりもようだ。が、拙宅にあっては、当りまえではない光景である。 じつに多くの郵便物が到来する。私信はめったにない。公報の通知やら公共料金の請求書やら、企業の宣伝ダイレクトメールやら近所に開店した宅配ピザの投込みチラシまで、じつに多彩だ。冊子状のパンフレットが封入された大型郵便も多い。 私には無縁とひと眼で判る郵便物がほとんどだが、なかには詳細に読まねばならぬものも混じるし、保存を要するものもある。即ゴミか保存か、即座には判断がつかぬものまである。かりに即ゴミとは判っても、開封して封筒と普通の上質紙とアート紙…