母に出す日本茶は、普通よりもずいぶんぬるめに淹れたものを。ヘタすると50℃くらいでも通ります。湯冷ましして、たとえ茶葉の適温で淹れたとしも、煎茶70℃だと「あっつ!」と、ギロリ睨まれます。言外に「われ、気ぃきかんやつやのう」。 それがぬる燗より少し熱いくらいになると「『こりゃあ、どくどく加減やな』ってばあちゃんが言うわ」と喜びます。ばあちゃん。ごく自然に、今も毎日のように話の中に登場する、母の育ての母。もう56年前に亡くなった母の祖母(私の曽祖母)が、まるで昨日もここにいたように話に登場します。 「どくどく加減」は、グビグビ飲めるちょうどいい温度のことを指す熊本弁らしいです。キングオブ熊本弁、…