性的奴隷制(性的奴隷状態)" Sexual Slavery"の「定義」は、国連で以下のように「定義」されている。
1998年「国連人権委員会 マクドゥーガル報告書」
英語原文
http://www.unhchr.ch/huridocda/huridoca.nsf/0/3d25270b5fa3ea998025665f0032f220?OpenDocument
日本語訳
http://ianhu.g.hatena.ne.jp/keyword/%E5%A5%B4%E9%9A%B7%E7%8A%B6%E6%85%8B%E3%81%AE%E5%AE%9A%E7%BE%A9?kid=21#p7
国連での「性的奴隷制(性的奴隷状態)の定義」に関する部分No. 27〜No. 33の要旨。
- 奴隷制の定義は1926年の奴隷条約において明記され、その定義は「奴隷状態とは、所有権を伴う権力の一部もしくは全部が一個人に対して行使されている状況もしくは状態である」、レイプなどの性暴力の形態による性的接触も含む。
- 「性的(sexual)」という用語はこの報告書では奴隷制の一形態を説明する形容詞として使われており、別個の犯罪を示すものではない。あらゆる意味で、またあらゆる状況で、性的奴隷制は奴隷制である。性的奴隷制には、女性や少女が「結婚」を強要されるケースや、最終的には拘束する側から強かんなど性行為を強要される家事労働その他の強制労働も含まれる。
- 奴隷制という犯罪は政府の関与または国家の行為がなくても成立し、国家の行為者によるものであろうと民間の個人によるものであろうと、国際犯罪に相当する。さらに、奴隷制とは人を所有物として扱うことを指すが、その人が金銭で売買ないしは人身取引されていないという事実をもって無効となることは決してない。
- 奴隷制の定義には、自己決定権、移動の自由、自己の性活動に関する事柄の決定権の制限などの概念も内在している。個人的には被害を受ける相当の危険を犯して奴隷状態から逃げることができたとしても、それだけで、奴隷制ではないと解釈してはならない。
- 奴隷制にはまた、すべてではないとしても大半の形態の強制売春も含まれる。「強制売春」とは一般に、他人に支配されて性的行為を強要される状態を意味する。
- 原則として、武力紛争下では、強制売春と呼びうる実態はたいていの場合、性的奴隷制に相当する。
「国際刑事裁判所(ICC-CPI)」ローマ規程において、「性的奴隷」及び「強制売春」という犯罪は「人道に対する罪」に含まれると規定されている。2007年、日本政府は105ヵ国目の締約国となった。
(参照:外務省日本語訳:国際刑事裁判所に関するローマ規程:http://www.mofa.go.jp/mofaj/gaiko/treaty/pdfs/treaty166_1.pdf)