『怪盗紳士ルパン』モーリス・ルブラン 「裁判長殿、今、目の前にいるあの男は、断じてアルセーヌ・ルパンではありません」 怪盗紳士アルセーヌ・ルパンの青春 2005年、ルパンシリーズ誕生100年を記念して刊行された新訳版で、文章が現代的になり、かなり読みやすくなっている。僕は作品の時代性にこだわるので、あまりにも訳文が砕けていると文句を言うことが多いのだが、本書の場合、むしろ内容が現代でも充分通用するので、文の砕け具合はあまり気にならなかった。 シャーロック・ホームズと並び称されるミステリー界のスーパーヒーロー、アルセーヌ・ルパンは、全部で56の作品に登場するが、そのプロトタイプとなったのが本書で…