突然、キーンコーンカンコーンという大音量の鐘が響いた。 私は驚いて、思わず彼から體(からだ)を離した。 「大きく響くでしょう?僕の部屋を出てすぐそこの壁に、ちょうどスピーカーがあるんですよ。1日に何度も聞かされてます」 と彼が肩をすくめた。 「これでは、うるさいでしょう?」 と私は眉を寄せた。 「まあ、仕方ないです。慣れれば気にならなくなるもんですよ」 と、彼は涼しい顔をしている。 すると、廊下が騒がしくなってきたので、私はドアの方を見た。 「講義が終わったので、学生たちが教室から一斉に出てきているんですよ」 Rの研究室は、階段の踊り場付近にあるため、上の階にある各教室から吐き出されてくる学生…