「どこから飛んできたのか、デスクで仕事をしていたら、腕にてんとう虫が止まったんですよ……あなたが、何かを知らせに来たのかと思いました」 出逢って数ヵ月、すっかり日課となった電話で、Rにそう言われたことがあった。 気持ちを読まれたのかと思った。 口に出したことはなかったが、虫にでも宿って彼のそばへ飛んでいきたいと、私は本気で望んでいたからだ。 Rとの付き合いは、夫に比べたらあまりに短いし、会うのはごくたまにだ。 なのに、彼は私の気持ちが手に取るように解ってしまう。 Rは、 「あなたは、頭に浮かんだことを、そのまま口に出すでしょう?だから分かりやすいんですよ」 と笑った。 確かにその通りで、夫から…