世界を知るためには、まず経験が必要だと言われる。 人付き合いの中で揉まれ、傷つきながら学んでいくのが 「正しい」成長の形なのだという。 けれど、私は子どもの頃から、 何かとわからないことを自分から尋ねるのが苦手だった。 先生はもちろん、親兄弟にさえ尋ねることができず、 わからないままのこともすごくたくさんあった。 たとえば、 テレビで流れる「天気予報」が、 まさか、自分の頭の上の空模様を教えてくれているとは、 まったく気づいていなかった。 さらに、母の運転する車のスピードメーターに映る矢印を見て、 母がウィンカーを手動で操作しているとは知らず、 車そのものが行き先を知って表示しているのだと、 …