おんだりく 1964年(昭和39年)、宮城県生れ。水戸第一高校卒、早稲田大学卒。1992年、日本ファンタジーノベル大賞の最終候補作となった『六番目の小夜子』でデビュー。ホラー、SF、ミステリーなど、さまざまなタイプの小説で才能を発揮している。ファンには“ノスタルジーの魔術師”の異名で親しまれている。 2005年(平成17年)、『夜のピクニック』で第26回吉川英治文学新人賞受賞。同年、同じく『夜のピクニック』で第2回本屋大賞受賞。
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本の簡単な紹介 本のタイトル・出版社 作者 あらすじ なぜこの本を読んだのか 感想 まとめ 本の簡単な紹介 本のタイトル・出版社 飯合梓『夜果つるところ』(照隅舎、1975年)(恩田陸『夜果つるところに』(集英社、2023年) *飯合梓は架空雨人物 作者 恩田陸(1964- ) 2004年 - 2005年 - 第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞(『夜のピクニック』) 2006年 - 第59回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)(『ユージニア』) 2007年 - 第20回山本周五郎賞(『中庭の出来事』) 2016年 - 宮城県芸術選奨文芸部門 2017年 - 第156回直木三十五…
恩田陸さんの最新作『スキマワラシ』は、古道具店を営む兄と、古い物に触れると過去の記憶が見える弟が、廃ビルに出没する都市伝説の少女の謎に迫る物語です。この作品は、建築物の美しさや歴史、そしてそれにまつわる人々の思いや関係を描いた、ファンタジックなミステリーと言えます。 物語の舞台は、再開発予定の地方都市S市です。ここには、戦前のホテルを移築した消防署や、親戚が作ったタイルが使われた公園など、主人公たちにとって特別な意味を持つ建築物があります。しかし、それらは近代化の波に押されて、次々と姿を消そうとしています。そんな中、主人公たちは、白いワンピースに麦わら帽子をかぶった幼い女の子の幽霊を目撃します…
そういえば、そろそろ今年も残すところ一カ月半。 毎年一年の計、というか、new year resolutionというのを作っています。「今年はこういうことしたい」という決意表明ですね。 そろそろ締めにかからなねば、ですね。 出来ていることもあり、出来ていないこともある。出来ている理由を振り返り、良いところを評価。出来ていない理由も振り返り、その優先順位で本当に良いのか再考。 至極単純なことを毎年繰り返しますが、3年5年と振り返ると、意外と出来ていることが積もり積もっているものです。 ひとこと 恩田氏独特のクロスオーバー的作品だった気がします。 殺人事件、地方史伝奇風味添え、そして最終的に死者の…
本の簡単な紹介 本のタイトル・出版社 恩田陸『鈍色幻視行』(集英社、2023年) 作者 恩田陸(1964- ) 2004年 - 2005年 - 第26回吉川英治文学新人賞、第2回本屋大賞(『夜のピクニック』) 2006年 - 第59回日本推理作家協会賞(長編及び連作短編集部門)(『ユージニア』) 2007年 - 第20回山本周五郎賞(『中庭の出来事』) 2016年 - 宮城県芸術選奨文芸部門 2017年 - 第156回直木三十五賞、第14回本屋大賞(『蜜蜂と遠雷』) あらすじ 小説家の蕗谷梢(ふきやこずえ)は、謎の作家・飯合梓(めしあいあずさ)と、その代表作『夜果つるところ』に関する作品を書こ…
短編集です 10月読書本の2冊目で久しぶりに短編集を読みました。 短編集はサクサク読めるので移動やスキマ時間にもってこいですね。 恩田陸さんの本は今年の夏に読んだ「スキマワラシ」以来です。 「スキマワラシ」は少し不思議で奇妙で懐かしくて、 「夜のピクニック」や「蜜蜂と遠雷」と並ぶ オススメしたい本の1冊です。 この方の作品を読むと 懐かしい気持ちになるのは何故でしょう・・・ 歩道橋シネマ どの短編も奇妙で 「スキマワラシ」よりもさらにどこか背筋がゾクッとするような作品です。 お化け等のホラーではなく何がどう怖いのか… 説明ができない怖さにまた怖いですw 本当に奇妙なんです。 良い意味で想像力が…
「灰の劇場」(恩田陸 著)を読みました。 2021年3月6日付の毎日新聞「今週の本棚」欄で著者紹介として載っていた本。 切り抜きに“121件”と鉛筆書きがあるので、たぶん図書館でそれだけ予約がついていたのでしょう。 2年経ち、普通に返却棚で見つけ借りてきました。 作家である「私」は、ずっと心に棘のように刺さっていた新聞記事をモデルにして小説を書くことにした。 その記事は、初老の女性二人が橋から飛び降りて自殺したというものだと「私」は思っていたが、実際調べてみると、45歳と44歳の女性だったことがわかる。その二人は大学時代の同級生で、東京大田区のマンションで同居していた。 なぜ同居していたのか。…
家内の弟の結婚式が週末にあり、バタバタしておりました。 家内は五女一男の三番目で、末っ子の長男とは10歳違い、長女とも10歳違うとのこと。お義母さん、頑張りましたね。おまけに義母・義父も兄弟が多く、私の結婚式もそうでしたが、まあ親戚が覚えられないこと。今回も嫁から繰り出される説明は『おばさん』『おじさん』『いとこ』の三語に尽きます。まあでも、細かく説明されても理解しなかったとは思いますが。 祝日を利用して日本から緊急参戦した子どもたちも親戚の多さに驚いたことと思います。お疲れさまでした。今日から学校頑張りましょう。 生まれ変わりって、どう?あり? 生まれ変わり、信じますか? 私は結構信じる派で…
恩田陸氏の木曜組曲を読んだ。耽美派小説の大家重松時子は木曜日が好きだと言っていた。その時子は2月の第二週の木曜日に亡くなり、それ以来毎年その木曜日を挟んで3日間、時子をしのぶために時子が住んでいたうぐいす館に集う女たち。時子の異母姉妹の静子。静子の母の妹の娘の絵里子(つまり、静子の姪)、時子の弟の娘の尚美(つまり時子の姪)、尚美の異母姉妹のつかさというちょっとややっこしい人間関係。それと時子の担当編集者で、今もうぐいす館に住んでいるえい子の5人が、このミステリーの主な登場人物だ。時子が亡くなって4年がたった今年、フジシロチヒロなる人物から「皆様の罪を忘れないために、今日この場所に死者のために花…
恩田陸氏の夜果つるところを読んだ。鈍色幻視行の中で言及されている小説で、飯合梓が書いたことになっているが、流石に本当の外側のカバーは恩田陸著、集英社刊になっているが、中を見ると、飯合梓著、照隅社刊になっている。ジャンル分けがよくわからない小説だ。殆どが子供の頃を回想して、当時の生活を語っている場面が続いてく。当時私は遊郭のような待合のような館に住んでいた。その館の名前は墜月荘といい、山の中にあった。育ての親の莢子に言わせれば、ここは夜が始まる所だった。だからなのか、私には太陽を見た記憶があまりない。生みの母は和子。そして、名義上の母は、墜月荘の女将の文子だった。私には三人の母がいた。生みの母の…
ようやく、過ごしやすい季節になってきた。 スポーツの秋、ランニングの秋到来!…と言いたいところなのだけれど、諸般の事情で走れないのが辛いところ。 とりあえず毎日、早朝ウォーキングだけは続けているものの、いつものランナーたちとすれ違うと、ちょっと寂しい気持ちになる。 だからもっぱら僕は、心の憂さを本に求めている。読書の秋だ。 僕は、子供の頃から読書が好きだった。 古典文学や純文学には殆ど興味がないのだけれど、ミステリやSFなどのエンタメ作品や、ノンフィクション、紀行エッセイなど、さまざまなジャンルを読んできた。 これまで、興奮した本や感動した本は無数にある。 ただ、何度も何度も読み返したい本とい…
皆さんこんにちは。 私、あまり作家さんは手広くは読みません。最近だと恩田陸さん、湊かなえさん、西加奈子さん、が結構多かったかと。そして本は読んだら基本的には処分(売却)です。 他方、印象に残ったもの・もう一度読むかも(読みたい)というものはとってあります。でも物語は少ないのです。この前実家をのぞくと、存外に村上春樹の作品が多く残っていました。結構好きだったみたいです。 とういことで、村上氏の作品、整理もかねて年代順に再読してみようと思いたった次第です。 本作、舞台設定は今から50年前!!古いですねえ。 私が買ったのも古いですよ。もう25年以上前に町の古本屋で買ったみたいですね。本の最後のページ…
角川文庫の夏の文庫フェアの小冊子「カドフェス2012」で紹介されていた本の一覧。 冊子自体はすでに処分してしまっていて、自分の覚書メモの写しなので抜けなどのミスがあるかもしれません。
おすすめ百合小説 主体的な女の子同士の結びつきを軸に選びました。男性目線の女の子同士のイチャイチャ、を超えた、簡単に定義できない関係性を感じてほしいです。 「お、これ百合?」が好きな人に読んでほしい女の子同士の結びつきから、レズビアン小説まで、国内のものをざっくり紹介していきます。読みやすいように文庫版が出てるものを優先して選びました。百合と検索すればヒットしやすいラノベは外してあります。 それぞれの作品をどう感じるか、どう意味付けるか、は人それぞれだと思うので書きません。下に行くほど「レズビアン小説」寄りになります。気に入った小説があったら、その作家さんの他の作品も読んでみてほしいです。 ・…
集英社の夏の文庫フェアの小冊子「ナツイチ2014」で紹介されていた本の一覧。 2014年のキャッチコピーは「心に、冒険を。」 表紙は実写映画「るろうに剣心」で緋村剣心を演じた佐藤健さんです。
借りてきてほとんど表紙を開かなかった量子力学の本4冊、途中まで読んでなるほどと納得しながら後はネットで技の解説動画を探せばいいやとなった柔道の教科書2冊、面白いんだけど途中まで読んで満足してしまった1話が短いエッセイ集2冊を、本日図書館に返却してきました。 1話が短いエッセイ集は、読んでいると皆さんのブログ記事に近い感じで、確かに面白いのですけどもそれ以上は進まなくなってしまったのです。 日常を綴ったブログが一番面白いと思っているぼくは、やはり日常を綴ったエッセイも面白かったのです。確かにプロの作家が書いているエッセイの方が読み物としてよくできているのですけども、オーディナリー・ピーポーの日常…
中山七里さんの作品を読むのは4作品目です。 どんでん返しの帝王、の異名をとる中山七里さん。 中山七里さんのデビュー作が『さよならドビュッシー』です。 Amazon★4.2 ★5=49% デビュー作にして、第8回『このミステリーがすごい!』大賞受賞作されています。 選考委員が大絶賛したという話題の感動作、というので読んでみました。 種明かしで完全に騙されていた〜!!が面白いのでネタバレなしで。 ピアニストを目指す遥、16歳。両親や祖父、帰国子女の従姉妹などに囲まれた幸福な彼女の人生は、ある日突然終わりを迎える。祖父と従姉妹とともに火事に巻き込まれ、ただ一人生き残ったものの、全身火傷の大怪我を負っ…
11月1日購入 マルクス解体 プロメテウスの夢とその先 斎藤幸平 (講談社) マリスアングル 誉田哲也 (光文社) 読書 九番目の招待客 オーエン・デイヴィス (国書刊行会) ?〜212p 残穢 小野不由美 (新潮文庫) 150p〜167p 2日読書 九番目の招待客 オーエン・デイヴィス (国書刊行会) 213p〜読了 エレファントヘッド 白井智之 (角川書店) 208p〜225p 残穢 小野不由美 (新潮文庫) 168p〜172p 3日読書 サエズリ図書館のワルツさん1 紅玉いづき (東京創元社) 1p〜103p エレファントヘッド 白井智之 (角川書店) 226p〜p321p 4日購入 拝…
読んだ本 高階秀爾『20世紀美術』 古野まほろ『背徳のぐるりよざ セーラー服と黙示録』 恩田陸『終りなき夜に生れつく』 『彼女。 百合小説アンソロジー』 米澤穂信『本と鍵の季節』 柴田勝家『走馬灯のセトリは考えておいて』 倉方俊輔『東京レトロ建築さんぽ 増補改訂版』 エドガー・カバナス、エヴァ・イルーズ『ハッピークラシー 「幸せ」願望に支配される日常』 ジョージ・ドーズ・グリーン『ケイヴマン』 永山則夫『無知の涙』 穂村弘『にょっ記』 『走馬灯のセトリは考えておいて』:「ぶちギレ金剛」というワードが普通に出てきてびっくりした.表題の「走馬灯のセトリは考えておいて」が印象的.バーチャルアイドルが…
今日は今月読んでよかった本について書く。前半はほとんど、手元にある文庫の再読なのでさらっと。恩田陸の『黄昏の百合の骨』は結末部分をだいぶ忘れていたのでちょうどよかった。詰めの甘さが残る少女の理瀬が『薔薇の中の蛇』ではすっかり大人の女性になっていて、驚いた。寒くなったな、と思った日に再読したのはアンナ・カヴァンの『氷』。あとは宮木あや子の『雨の塔』と『砂子の中より青き草』と『花宵道中』。いつも『太陽の庭』ばかり読んでるので、雨の塔は久しぶり。花宵道中は2年ぶりくらい。やっぱり霧里は不器用だけど優しいしかっこいいし、その後の八津の話の温かさに救われる。砂子の中より青き草で、定子さまかわいい〜!!こ…
本の感想のリアルタイムなまとめは Mastodon 限定コンテンツですが、外向けにもまとめておきたくなったので。定期的にやるかは不明です。 ①『結局、仮説で決まる。』(柏木吉基)②『リサーチのはじめかた』(トーマス・S・マラニー、クリストファー・レア)③『中国茶の教科書』(今間智子)④『データ分析に必須の知識・考え方 認知バイアス入門』(山田典一)⑤『口訳 古事記』(町田康)⑥『ねじとねじ回し この千年で最高の発明をめぐる物語』(ヴィトルト・リプチンスキ)⑦『命売ります』(三島由紀夫)⑧『ジャズの聴き方を見つける本』(富澤えいち)⑨『なぜAppleは強いのか 製品分解からわかる真の技術力』(清…
ビッグコミックオリジナル連載『前科者』に出て来る本。 国書刊行会は、"National Book Publishing Company"とでも訳すのでしょうか。古今東西のあらゆる奇書を訳す出版社のイメージですので、逆に、英文サイトもなければ英語ほか、他言語のウィキペディアもない、よく見るとおそろしくドメスティックな会社だったという。 漢字の社名なので、漢字文化圏に共通する社名なんじゃんという話もありましょうが、通じるのはもちろん通じますが、表記に関して、厳密には、大陸ですと《国书刊行会》、〈书〉が簡体字ですし、台湾香港韓国ですと「國書刊行會」、〈國〉と〈會〉が繁體字ですので、「国書刊行会」とい…
ユージニア (角川文庫) [ 陸 ]価格:836円(税込、送料無料) (2023/11/25時点) 楽天で購入 恩田陸さんの作品の中で好きな作品のひとつ「ユージニア」 過去の事件を、関係者の話を追っていくスタイルで物語は進む。 私が最初読んだ時の感想は「え…これで終わりなの?」でした。 なんとなく消化不良を繰り返し、それでも時間を空けて再読してしまう「ユージニア」の魅力を私なりにつづります。 あらすじ 2006年日本推理作家協会賞受賞作 第133回直木賞候補作でもあったようです。恩田さんは、「蜜蜂と遠雷」で直木賞を受賞されていますが、私はユージニアのほうが好みです。 蜜蜂と遠雷 [ 恩田陸 ]…
2023/11/21 「六番目の小夜子」を読んでいました。 私の読書の原点にして、原典のひとつです。恩田陸と出会っているかどうかで、私の人生は大きく変わっていたでしょう。そのくらい影響を受けています。具体的にどんな影響、ってわけではないのですが。 初めて読んだのは中学生くらいでした。今回が何回目の再読かもはやわかりませんが、読むたびにその時の年齢、その時の考えで読んでいるので、色んな角度からこの本を見る事ができました。こういうのが読書、というか作品の良いところですね。私は変わりますが、作品は変わりません。何度読んでも作品に変化はありませんが、むしろ私の変化した部分を作品は教えてくれます。高校生…
中学入試の得点力向上に読書は不要 読書は大事です。 みなが口をそろえてそう言いますよね。 私もいつも、生徒や保護者に向かってそう話します。 とくに中学受験が終わり、これから中学校に進学する生徒たちには、どんな本をどれだけ読むべきなのか、いろいろお話します。 しかし、中学受験の合格、この1点のみに絞った場合、はたして読書は必要なのでしょうか? じつは結論は出ています。 中学受験の合格、つまり国語での得点力向上のためには、読書は不要です。正確にいうと、回り道すぎます。 読書の目的として、「国語の得点力を上げる」ということ自体が大きく間違っています。目的が間違っている以上、当然結果も伴いません。「国…