若くして莫大な財産を相続した伯爵令嬢の身に降りかかる災いを描く「黒馬の哭く館」,同姓同名かつ瓜二つの男の存在に悩まされる士官,男と賭博場で対決する美しい女性「影を殺した男」,落ち目になり酒に溺れる俳優が異国の地で少女の幻影と対峙する「悪魔の首飾り」の3話で構成されたオムニバス・ホラー作品. エドガー・アラン・ポー(Edgar Allan Poe)の怪奇譚三篇を映像化したのは,ロジェ・ヴァディム(Roger Vadim),ルイ・マル(Louis Malle),フェデリコ・フェリーニ(Federico Fellini).伊仏の名匠たちではあるが,原作の幽玄な耽美には遠く及ばない.雰囲気だけ模倣され…