この日は、大手SIer企業の本社ビルにやってきた。この企業は数年前に情報漏洩事故を起こしてしまい、メディアにも厳しく責められた経験がある。内外に事件の経緯、自社としての反省、再発防止策などを内外に繰り返し示し、信頼回復に努められた。事故を起こせばその時点では目を開くものの、時間とともに緊張感が薄れることが往々にしてある。いわゆる「緩み」だ。 この企業は事故が発覚した日を含む週を「情報セキュリティ週間」と定め、社内に徹底するイベントをしておられる。毎年改めて、全従業員が情報事故を自分事として見つめなおすようにとの考えだ。今回、社内イベントにもかかわらず、私はこのイベントで短いスピーチをし、パネル…