前回は、農作物を生み出す土地の管理・運営に長けた社会制度が「封建主義社会制度」であり、商品を生み出す資本の管理・運営に長けた社会制度が「資本主義社会制度」であるという話をしました。 封建主義社会制度から資本主義社会制度への移行にあたり、何が決定的な契機になったのでしょうか。まずこれを考えてみましょう。 実は、封建主義社会においても、商品は生み出され、商品流通は行われていました。具体的には、農民が家内制手工業によって服飾品や日用品などを作り、それらが商品として都市部で売買されるということはありました。そして、各地域では陶芸品などの特産品が職人によって作られ、それらも他の地域に流通し、売買されてい…