どんなに悪いやつだと分かっていても,いや悪いやつだからこそ,愛してしまうことがある。本当に困ってしまうけど,そういうことはある。 だからこの絵本はこんなふうにはじまる。 「あくたれねこの ラルフは,セイラの ねこでした。 あくたれでも セイラは,ラルフが すきでした。」 セイラの飼い猫ラルフはどうしようもないあくたれで,家族だってあきれるほどのいたずらやいじわるをやってのける。みんなでサーカスを見に行った時,いたずらが過ぎてとうとう家族も愛想をつかす。サーカスに入れられたラルフは外の世界の厳しさを知り,同時に家族の大切さを知る。最後はセイラがラルフを助け出し, 「あたし いまでも あんたが だ…